■“話題の一冊”では、小説やコミックを映像化した作品の放送情報を紹介。ドラマや映画を見てから原作を読んで、より詳細な心理描写や物語の背景を楽しんでもよし、先に原作を読んで、思い描いた世界が目の前に広がるのを楽しんでもよし。自分好みに物語を2度味わえる作品たちはこちら!■
2022年6月、エリザベス女王在位70周年の祝賀行事“プラチナジュビリー”が注目を集めたイギリス。スターチャンネルでは7月に豪華絢爛なコスチュームが堪能できるイギリス映画3作品を特集放送する。今回はその中から、人気の英国女性作家ジェイン・オースティン原作の『EMMA エマ』をご紹介。目が離せない『EMMA エマ』の魅力とは?
原作は『高慢と偏見』のジェイン・オースティンの恋愛小説
筆者のジェイン・オースティン自身、18~19世紀のイギリスに生きた女性。中流階級(上層)の家庭で育ち、自身は生涯独身だったという。女性に“つつましさ”が求められた当時、初めは匿名作家として父親や兄の計らいで著書が出版され、巨匠ウォルター・スコットからも注目されていた。大ヒット映画『ブリジット・ジョーンズの日記』のベースとなった『高慢と偏見』など、主に結婚話を題材に、さまざまな性格の女性の恋愛を皮肉とユーモアをもって描いた作品が複数存在する。そんな彼女の円熟期の最高傑作がこの『エマ』だ。多くの出版社から刊行されており、翻訳の違う同作品を読むという、外国文学ならではの楽しみ方もできる。
ヒロイン“エマ”のキャラクターから目が離せない!
若く美人で頭の良いエマは、イギリス南部にある村の大地主の娘。お嬢様だがおっとりとお屋敷におさまっているタイプではなく、自分の考え方を持ってはっきりと物を言い、周囲の人たちの縁結びをするのが喜びというおせっかい焼き。元家庭教師の女性と上流男性との結婚を成功させて調子に乗ったエマは友人ハリエットの幸せを願って奮闘するが、自身の恋もからんで空回りすることに…。
狭い世界しか知らないながら、その中で好奇心を持って物事を観察し、考えを巡らせ行動する。そして誤りに気づいた時には素直に反省する…そんなエマの魅力から目が離せない!
可愛い衣装・家具・小物から目が離せない!
画像を見てお目にとまるだろう。この映画に登場する西洋人形のような衣装、お洒落な陶器のような調度品、小物、料理など、色合いやデザインがとにかく可愛い! 当時の田舎のお金持ちの身の回りの品へのこだわりが感じられる、村の雑貨店での買い物シーンもある。
アカデミー賞にノミネートされたこの映画の衣装・美術の質の高い美しさから目が離せない!
登場人物たちの恋のゆくえから目が離せない!
エマを取り巻く登場人物の中には、寄宿生でエマの友人・ハリエットのほか、ちょっと変わったイケメン(?)牧師・クールビューティー没落女子・家柄は上流だが粗野で偉そうな男子・社交的で若干軽い男子・一途な農夫など、多彩な若い男女がいる。エマはよかれと思って彼らの仲を取り持とうとしたり、引き離そうとしたり、結果的に引っ掻き回すことに! しかしエマの思惑の及ばないそれぞれの想いが、彼らを引き合わせていく。そして他人の恋愛成就に一生懸命になっているうち、いつしかエマも自分の気持ちに気づくことになる…。
そんな彼らの恋のゆくえから目が離せない!
キューピッドを気取るおせっかいお嬢様の恋模様を描く
イギリス南部の村で暮らすお嬢様エマは、周囲の人々の恋愛を応援する“恋のキューピッド”として、おせっかいを繰り返していた。そんなエマの元へやって来たのは、寄宿学校に通うハリエット。彼女は良家のエマに憧れ、言われたことを信じ込む。彼女と次第に仲良くなったエマは、ハリエットの結婚についていつものように口を出すが、なかなか思うようにいかない。やがてエマ自身、自分の欠点を見つめ直すことで恋心に気づいていく。はたして、エマやハリエットの恋愛は成就するのか!?
放送局:スターチャンネル1
放送日:2022年7月24日(日)
放送時間:午後9:00~11:15[字幕版]
再放送:30日(土) ※28日(木)スターチャンネル3で吹替え版の放送あり
制作年/国:2020年/イギリス
監督:オータム・デ・ワイルド
出演:アニャ・テイラー=ジョイ、ジョニー・フリン、ミア・ゴス、ビル・ナイ、ミランダ・ハート ほか