■“話題の一冊”では、小説やコミックを映像化した作品の放送情報を紹介。ドラマや映画を見てから原作を読んで、より詳細な心理描写や物語の背景を楽しんでもよし、先に原作を読んで、思い描いた世界が目の前に広がるのを楽しんでもよし。自分好みに物語を2度味わえる作品たちはこちら!■
『宇宙兄弟』は2008年の連載開始以来、2022年夏に東京・渋谷でイベントが開かれるなど、41巻を数える今なお愛され続ける大人気コミック。2012年にテレビアニメ化されると、通常3か月が区切りという中で2年間放送された。また、NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』主演の小栗旬、アカデミー賞受賞映画『ドライブ・マイ・カー』でも存在感を示した岡田将生が主人公兄弟を演じ、「キャラクターの再現度が高すぎる!」と評判の実写映画となった。そして、作者の小山宙哉自身が脚本を手がけた、第1巻へと続くプロローグ的な作品が、劇場版アニメ『宇宙兄弟#0(ナンバーゼロ)』だ。この映画が2022年10月1日、キッズステーションにて放送される。ある時は兄が弟を引っ張り、ある時は弟が兄を後押しし、夢を抱いて仕事に挑む南波兄弟の、0番目のストーリー。アニメファンや子どもはもちろん、普段アニメを見ない大人たちの心にも刺さるに違いない!
原作は生きる指針にもなる傑作コミック
青年向けコミック誌『モーニング』で2008年から連載されている小山宙哉の大人気コミック『宇宙兄弟』。“職業マンガ”としては、実際の宇宙飛行士や宇宙航空研究開発機構(JAXA)職員、宇宙開発事業に関する専門家への緻密な取材に基づいたリアルな描写に定評がある。さらに、ストーリーに筋萎縮性側索硬化症(ALS)という難病を盛り込み、広く一般に知られるきっかけにもなったのではないだろうか。コミックらしいユーモアあふれる作品でありながら、落涙必至の名シーン・生きる指針になりうる名台詞も満載。人生で一度は手に取って欲しい傑作だ。
宇宙への夢を誓い合った兄弟の子ども時代をもっと知りたい!
「約束だ。俺らは二人で宇宙飛行士になるぞ。」 幼い頃に誓った、宇宙飛行士への夢。兄・南波六太(ムッタ)と弟・日々人(ヒビト)は、“二人揃って月に立つ”ために幾多の苦難を乗り越え、果てしない夢に一歩ずつ近づいていく。本作では原作やテレビシリーズにない兄弟の夢の原点を、もっと詳しく見ることができる。また、彼らの両親による“命”に対する教育がさりげなく、とても温かいことも印象に残る。
新人宇宙飛行士時代の日々人の姿を知りたい!
原作やテレビアニメではすでに月面探査チームに入った華々しい姿で登場する日々人。本作では、宇宙飛行士になったとはいえまだまだ経験不足の新人訓練時代が見られる。その時出会った先輩宇宙兄弟の存在は、のちに“二人揃って月に立つ”という目標を持つ日々人と六太に、どのような影響を与えたのか。また、日々人の身に災難がふりかかった際にカギとなるエピソードの背景を、より深く知ることができる。
『宇宙兄弟』が始まる前のムッタ・ヒビトの物語
弟・日々人(KENN)は、憧れの宇宙飛行士ブライアン・ジェイ(大塚明夫)が搭乗する月面着陸ロケットのバックアップクルーに選ばれる。新人としては異例の大抜擢ながら実力不足を感じて悩む日々人と、先輩として導くブライアン。一方で兄・六太(平田広明)は、自動車会社のサラリーマンとして新車種の開発に携わっていたが、現実味のない夢物語ばかり語り会社から愛想を尽かされ片田舎への出向を命じられる。そして勝手の違う職場で戸惑う六太のもとに、不幸な知らせが届く。「宇宙飛行士として大成した弟とは対照的な今の自分に、どん底の弟へ兄としてかけられる言葉などあるのだろうか。」無力感に打ちひしがれる六太だったが、ふと幼い頃の日々人とのある思い出が脳裏に蘇り…。
放送局:キッズステーション
放送日:2022年10月1日(土)
放送時間:午後0:00~1:50
制作年/国:2014年/日本
監督:渡辺歩
声の出演:平田広明、KENN、沢城みゆき、三瓶由布子、チョー、田中真弓、有本欽隆、大塚明夫 ほか
そして兄弟の物語は続く…テレビアニメ『宇宙兄弟』
幼い日に宇宙飛行士になると星空に約束を交わした兄弟、六太と日々人。そして、2025年。弟・日々人は宇宙飛行士として、日本人初の月でのミッションクルーに選ばれた。一方、日本の自動車メーカーに勤める兄・六太は、上司とのケンカで頭突き。見事にクビとなり実家に強制送還されていた。そんなとき、日々人からのメールに導かれ、あの日録音されていた幼い二人の声を聴く。そして六太は、心の奥から呼び覚まされた約束に突き動かされるように、再び宇宙を目指すのだった。
放送局:キッズステーション
放送日:2022年10月29日(土)~
放送時間:土曜 午後9:00~11:00 ほか
制作年/国:2012年/日本
監督:渡辺歩
声の出演:平田広明、KENN、沢城みゆき、加藤将之、池田昌子 ほか