料理と人情に心あたたまる映画「みをつくし料理帖」【主人公の味方編】

映画「犬神家の一族」や「セーラー服と機関銃」を筆頭に、1970~80年代にかけて娯楽映画そのものを変えてきた革命的プロデューサー・角川春樹。製作者だけではなく映画監督という顔も持つ御年78歳の角川春樹が、約10年ぶり8本目の監督作にして生涯最後の映画監督作を完成させました。今回は映画「みをつくし料理帖」の主人公たちの味方にスポットを当ててご紹介します。

あらすじ

幼なじみの澪と野江は大坂の町を襲った大洪水により、無残にもその仲は引き裂かれてしまう。両親を失った澪は偶然通りかかった天満一兆庵の女将・芳(若村麻由美)に拾われるが、野江の消息はわからないまま。

それから10年の月日が経過し、江戸・神田にある蕎麦処「つる家」で女料理人として働く澪(松本穂香)は悩んでいた。上方と江戸の料理の違いに戸惑い、試行錯誤の繰り返していた。吉原でヒントを得た澪は、江戸流と上方流を掛け合わせた看板料理を作り出し、店を繁盛させていく。やがてその評判は、幻の花魁・あさひ太夫の耳にも入り…。

元天満一兆庵の女将・芳(若村麻由美)

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大洪水により天涯孤独の身となった澪を助けたのは、大坂の料理屋「天満一兆庵」の女将・芳。水害で路頭に迷っていた澪を助けて以来、実の母親以上に愛情を注いで育ててきた。“ご寮さん”とは、大阪を中心に西日本の商家において、「主人の妻」に対する敬称で、「若奥様」を意味する独特の呼称。映画ではすでに「天満一兆庵」が焼失してしまい、江戸へと出てきた。澪と二人で長屋暮らし中で、彼女からは“ご寮さん”と呼ばれて慕われている。澪が不眠不休で理想の出汁を生み出し、その出汁で今はなき天満一兆庵で評判だった品「とろとろ茶碗蒸し」を作り上げた。その美味さは江戸中を魅了し、「つる家」はいまだかつてない活気を見せる。

翁屋の料理番・又次(中村獅童)

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「とろとろ茶碗蒸し」が江戸で評判になる中、澪の元を怪しげな影をまとった強面の男が訪ねてくる。彼は幻の花魁・あさひ太夫のいる遊郭・翁屋で料理番をしている又次(中村獅童)だった。あさひ太夫に助けられた過去があり、それから命も惜しまないほどに忠誠を尽くす無骨な男。澪とあさひ太夫をつなぐ橋渡しをする役割を担う。

主人公たちを見守るやさしい人々

“ご寮さん”こと芳とともに作り上げた茶碗蒸しをきっかけに、又次とのやりとりで再会の兆しがみえた澪と野江。果たして無事にできるのか。その結末を映画館でご覧ください。

みをつくし料理帖

10月16日(金)全国公開
出演:松本穂香 奈緒/中村獅童
製作・監督:角川春樹
配給:東映
Ⓒ2020映画「みをつくし料理帖」製作委員会

(情報は記事公開時点の内容です)

2人の主人公にフォーカスした記事はこちら

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