『糸』などの小松菜奈が衝撃のスクリーン・デビューを飾った『渇き。』

学園のカリスマである女子高生・加奈子が疾走し、元刑事のろくでなしの父親が行方を追う姿を描いた『渇き。』。謎に包まれた加奈子役に扮したのは、オーディションで役を勝ち取り本作でスクリーンデビューを飾った小松菜奈。彼女の存在そのものがこの作品を成立させていると言っても過言じゃない。

複雑な魅力の娘・加奈子を小松菜奈が巧演

小松菜奈が演じるのは成績優秀で容姿端麗で友だちに好かれる加奈子。しかし、さまざまな登場人物の目から見た加奈子はとても多面的で、彼女を知れば知るほどどんな人物なのかわからなくなってくる。優しい優等生な顔の裏には非常に邪悪でグロテスクな一面も。それでいてファムファタールという言葉がぴったりなほど妖しくも魅力に溢れている。

疾走した娘と関わりのある人物に接触するが…

刑事だった藤島昭和は妻・桐子の不倫相手への傷害事件を起こして警察を退職し、離婚することとなった。あるとき桐子から娘の加奈子が疾走したと連絡が入る。自分のせいで家庭を崩壊させた藤島は娘の行方を追うことに。娘の同級生や娘が通院していたらしい精神科の医師、元担任教師など娘と関わりのあった人物たちに接触していく。

『来る』などの中島哲也監督が実写映画化

原作は第3回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞した深町秋生原作の「果てしなき渇き」。この問題作をCMディレクターとしても活躍する『告白』や『来る』などの中島哲也が監督して実写映画化。決して後味の良い作品とは言えないので、アグレッシヴな気分の時に見るといいかも。

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