リドリー・スコット監督によるSF映画『オデッセイ』。火星に取り残された宇宙飛行士が生存不可能と思われるなか地球への帰還をめざすサバイバルを描いています。詳しい解説やあらすじ、感想を紹介します!
原作は傑作SF短編|鬼才監督が紡ぐ感動のSF映画『メッセージ』
映画『オデッセイ』の原作、監督、キャストなど作品情報を紹介
リドリー・スコット監督のもとマット・デイモンが主演を果たしたSF映画
映画『オデッセイ』の原作は、アンディ・ウィアーのベストセラー小説「火星の人」。
2011年に初版が出版され、日本では2014年にハヤカワ文庫SFから刊行されました。
映画は2015年に公開され、探査中の事故で火星にたった1人で取り残された宇宙飛行士が地球への帰還に望みをかける型破りなサバイバルと、NASAによる決死の救出ミッションが描かれます。
主人公の宇宙飛行士マーク・ワトニーを演じるのは、『ボーン・アイデンティティー』や『フォードvsフェラーリ』などのマット・デイモン。
共演には『ゼロ・ダーク・サーティ』のジェシカ・チャスティンや、『それでも夜は明ける』のキウェテル・イジョフォーがいます。
監督は『エイリアン』『ブレードランナー』を代表作にもち、近年では『最後の決闘裁判』『ハウス・オブ・グッチ』などを発表するなど、いまなお第一線で作品づくりに励んでいるリドリー・スコットが務めました。
なお、本作はゴールデングローブ賞映画部門作品賞を受賞し、アカデミー賞にもノミネートされています。
映画『オデッセイ』の見どころ
サバイバル映画としての魅力が詰まってる!
映画『オデッセイ』の見どころを紹介する前にまずお伝えしておきたいのは、この映画はいわゆるファンタジージャンルの作品ではないということです。
監督のリドリー・スコットといえば、『エイリアン』をはじめ、『ブレードランナー』『プロメテウス』などのファンタジックなSF作品を手掛けていることでおなじみ。
本作『オデッセイ』も、原題が「The Martian」=“火星人”で宇宙を描いた作品なので、『2001年宇宙の旅』(原題「2001: A Space Odyssey」)のようなタイプの映画なのかと想像する方もいるかもしれません。
確かに『オデッセイ』も宇宙を題材にした作品ではありますが、哲学的な内容であったり未知との遭遇的なことが展開する作品ではなく、逆にファンタジーよりも、もっと現実的なところに本作の面白さはあるのです。
主人公の宇宙飛行士マーク・ワトニーは、火星に取り残されてしまったことで、残されたわずかな材料や道具から生き残るすべを見出していきます。
まずは食べ物をどうするか? 食料として保存してあったジャガイモを栽培して増やせないか? 栽培に必要な肥料と水はどうすればいいのか…?など、植物学者であるマークが知識を活かしてチャレンジしていく姿はとても具体的で面白く、見ていて応援したくなります。
その様子は、SF映画というよりは、さながら無人島に漂着したサバイバル映画のようです。
彼を救出しようとする地球側においても、NASAの具体的な計画も興味深いうえに、政治的な作戦も面白く見応えがあります。
何より、マークが絶望的で過酷な状況であるにもかかわらず、ユーモアと希望を忘れずにポジティブに遂行していく姿が痛快で感動できる作品なのです。
映画『オデッセイ』あらすじ
マークは火星で孤軍奮闘してサバイバルに挑む
人類による有人火星探査ミッション“アレス3”が猛烈な嵐で中止に追い込まれた。
6人のクルーは地球への帰還を余儀なくされるが、そのなかの一人、マーク・ワトニーは突風で吹き飛ばされて行方がわからなくなり、死亡したと判断されてしまう。
このままではクルー全員に命の危険が及ぶため、クルーたちは断腸の思いで地球への帰還に出発することに。
しかし、マーク・ワトニーは奇跡的に生きていた。
一人で火星に取り残された彼は地球との通信手段もなく、食料は残りわずか。
次のクルーが火星を訪れるのは4年後になるという。
それでもマークは諦めることなく、過酷な状況のなかでありったけの科学知識とポジティブ思考を駆使し、孤独なサバイバルに挑むのであった。
映画『オデッセイ』作品情報
原題:The Martian
原作:アンディ・ウィアー「火星の人」(ハヤカワ文庫SF)
監督:リドリー・スコット
脚本:ドリュー・ゴダード
出演:マット・デイモン、ジェシカ・チャステイン、クリステン・ウィグ、ジェフ・ダニエルズ、マイケル・ペーニャ、ショーン・ビーン、ケイト・マーラ、セバスチャン・スタン、アクセル・ヘニー ほか
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