勇気と優しさに心打たれる『ワンダー君は太陽』(2017年)

人とは違う見た目で生まれてきた主人公・オギー。小学5年生になる年に、初めて学校に通うことになる。見た目のせいでいじめや裏切り、いやがらせに遭うが、勇気をもって毅然と生きるオギーの姿や周りの人々の温かさに胸打たれる作品。

あらすじ 

10歳のオギー・プルマンは、遺伝子の疾患で人とは違う顔で生まれてきた。手術を受けながらずっと自宅で学習をしてきたが、母親のイザベルは夫のネートの反対を押し切って、オギーを5年生の初日から学校に行かせようと決意する。しかし待ち受けていたのは、外見が原因でいじめやいやがらせが続く日々だった。ある日オギーはクラスメイトのジャックに、理科の小テストの答えをこっそりと教えたことをきっかけに、ジャックと仲良くなった。しかしハロウィンの日、ジャックが仮装をしたオギーに気が付かず、オギーの悪口を友達に言ってしまう。オギーはショックを受けるが、 周りの友達はオギーの賢くユニークな魅力に気付き始めていたその後無事にオギーとジャックは仲直りし、理科研究大会や野外学習で起こる騒動を友達と乗り越えていく。そして5年生の1年間が終わる修了式の日、一生忘れられない出来事が彼らを待っていた─。

原作は世界で大ヒットした小説「ワンダー」 

原作「ワンダー」の著者R.J.パラシオは元グラフィックデザイナー。「ワンダー」は処女作にして、いきなり世界中で大ヒットとなった。本作の執筆のきっかけは、実際に 頭部の骨格に障害のある少女と遭遇したこと。まだ3歳だった娘が少女を見て怯え、泣き出した。パラシオ氏は、少女を傷つけたくないと、娘の乗ったベビーカーを遠ざけた。すると、少女の母親は「そろそろ行かなくちゃね」と穏やかに告げ、去っていった。人として、母親として、少女とどのように接するのが正しいのか、自分のとった行動は少女を傷つけはしなかっただろうか-。この体験から、「ワンダー」は誕生したそうだ。

オギーの家族や友達にも注目

主人公のオギーはもちろんのこと、オギーを中心とした周囲の登場人物にも注目したい。母のイザベルはオギーが生まれてから、オギーのことを最優先に考えて過ごしてきた。自分の夢を我慢し、娘のヴィラのことも気に留める余裕がなくなっていく。家族、特にオギーに対しては「 あなたは絶対に醜くないわ 」と常に励まし、勇気づけるしっかり者の母親。娘のヴィラは、自分のことで家族に迷惑をかけまいと、悩みや葛藤があっても相談することはあまりない。一番の理解者であった祖母が他界してしまってからは、一層孤独になったようだ。印象的だった場面は、愛犬のデイジーがイザベルに噛みついたシーン。家族みんなの心のよりどころだったデイジーだが、体調の悪化に誰も気が付くことができず、デイジーは息をひきとる。みんな自分のことに必死で、周りが見えなくなっていることを物語っている。家族以外でも、学校の先生や友達など、魅力的な人物が多数登場する。

さいごに

人は見た目じゃない。わかっていても、その状況になったときには動揺してしまうことがある。人にはそれぞれ輝いている部分があって、その点を理解しあえれば、世の中平和ですよね。加えて、人間は完璧じゃない。お互いに補い合って、そして自分に自信をもって生きていきたいものです。

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