かわいい新人子役×2人の名俳優の掛け合いが楽しい『ルイスと不思議の時計』
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ジョン・ベレアーズの小説「壁のなかの時計」をイーライ・ロス監督が映画化した『ルイスと不思議の時計』。
ロス監督は『ホステル』や『ノック・ノック』、『デス・ウィッシュ』など、ストーリーや描写が強烈な作品で有名ですが、本作では得意分野から一歩外れ、10歳の少年の成長物語を見事に描き切ったファミリー向け映画に仕上げました。
新進気鋭の子役=オーウェン・ヴァカーロのかわいらしくも心に突き刺さる演技と、名俳優ジャック・ブラック&ケイト・ブランシェットの見事な掛け合いが楽しい『ルイスと不思議の時計』の見どころを紹介していきます。

あらすじ

両親を事故で亡くした10歳の少年ルイス(オーウェン・ヴァカーロ)は、伯父のジョナサン(ジャック・ブラック)に引き取られる。
初めて会うジョナサンは優しかったが、古い時計が置かれた屋敷で毎晩怪しげな行動を繰り返していた。
隣人のツィマーマン夫人(ケイト・ブランシェット)も、どこか風変わりな女性。
実は2人は魔法使いで、ジョナサンは世界を滅ぼす力を秘めた魔法の時計を探していたのだ。
二流の魔法使いジョナサン、超一流のツィマーマン夫人とともに世界を救うため、ルイスの冒険が始まる!

ジャック・ブラックとケイト・ブランシェットの掛け合いがとにかく秀逸

ジャック・ブラック演じる主人公の伯父ジョナサンは二流の魔法使い、そしてケイト・ブランシェット演じる隣人のツィマーマン夫人は一流の魔法使い。
そんな2人はいつも口喧嘩が絶えないのですが、二流ゆえにマウントをとられがちなジョナサンや、それを楽しんでいるかのような態度をとるツィマーマン夫人の掛け合いがとにかく楽しいのが『ルイスと不思議の時計』の魅力。
本当にテンポがよく、時にはアドリブなのでは?と思ってしまうような小気味よいセリフ回しで思わず笑ってしまうこと間違いなし。
個人的には、ジャック・ブラックのさすがともいうべきコメディセンスには脱帽してしまいました。
ちなみに日本語吹き替えでは、ジョナサン(ジャック・ブラック)を個性派俳優の佐藤二朗、ツィマーマン夫人(ケイト・ブランシェット)を女優の宮沢りえが担当しています。

魔法使いに振り回されながらも成長していくルイスに胸打たれる

両親を喪った悲しみで笑顔が消えてしまったルイス。
しかも、転校先の学校では同級生からイジメを受けてしまい、自分の殻に閉じこもってしまいます。
しかし、いがみ合う2人の魔法使いに楽しく振り回され、彼らから魔法を教えてもらったことをきっかけに、次第に笑顔を取り戻していきます。
終盤では、野望をもった魔法使いアイザックが屋敷に仕掛けた恐ろしいトラップにおびえながらも、勇気を振り絞ってジョナサン&ツィマーマンとともに立ち向かっていき、魔法使いとしても、人間としても成長した姿を見せるルイス。
序盤の彼を思うと、よくぞここまで成長したと胸打たれてしまいます。
そんな成長したルイスが最後に同級生に仕返しをするのですが、そこで見せる表情にはきちんと子供らしいかわいらしさが残っていたのが、子供の成長を描いたファミリー向け映画のオチとしてグッドだと感じました。

そもそもなぜイーライ・ロス監督なのか?

これまでに紹介してきたとおり『ルイスと不思議の時計』はファミリー向け映画。
では、なぜ過激な描写を得意とするイーライ・ロス監督が起用されたのでしょうか?
実は、イーライ・ロス監督は「スティーブン・スピルバーグから怖く作ってくれ」との要望があったことを明かしています。
スピルバーグは『ルイスと不思議の時計』の製作会社「アンブリン・エンターテインメント」の設立者」であり、劇中に登場する人形のいくつかはスピルバーグの私物だそうです。
実際、映画批評集積サイトのRotten Tomatoesでも「『ルイスと不思議の時計』は絶妙なセンスでユーモアとホラーをファミリー層向けに混ぜ合わせた作品である。」という評価もあります。
原作のもつ魅力を引き出すためには、普通とは少し違うファミリー映画を作れそうなロス監督を起用したのかもしれませんね。

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ルイスと不思議の時計
[字]8月22日(土)21:00~23:00
[字]8月25日(火)14:10~16:15

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ルイスと不思議の時計
[吹]8月23日(日)21:00~23:00
[吹]8月27日(木)13:00~15:00

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