ストレスを抱えて生きる私たち人間を癒してくれるペット。
その代表的な存在が犬ですよね。
当たり前ですが、そんな犬たちにも命があります。
ペットの殺処分が社会問題とされる今、犬を題材にした映画を通じて命について考えてみてはいかがでしょうか。
『僕のワンダフル・ライフ』
2017年に公開され、2019年には続編である『僕のワンダフル・ジャーニー』も公開された『僕のワンダフル・ライフ』。
子犬として飼われたベイリーがやがて寿命を迎えたあとも大切な飼い主のイーサンに会うため、新たな犬に生まれ変わって会いに行こうとするというストーリーで、予告編だけで泣けるという人も現れるほど大きな反響を呼びました。
“生まれ変わり”という設定がとても効果的に用いられているのが『僕のワンダフルライフ』の特徴で、生まれ変わるたびに毎回異なる飼い主と出会うベイリーを通して、犬と人のさまざまな関係性を描くほか、そうした数々の出会いがあるからこそ、大切なイーサンに対するベイリーの一途で健気な愛情が涙腺を刺激します。
犬を飼いたいと思っている人、飼っていた犬を亡くしてしまった人など、全ての犬好きに寄り添ってくれる作品です。
ちなみに『僕のワンダフル・ライフ』原作者のベストセラーを映画化した『ベラのワンダフル・ホーム』という作品もあります。
こちらで描かれるのは、飼い主と離れ離れになってしまった犬のベラが600kmも離れた飼い主のもとへ帰ろうと頑張る姿。
『僕のワンダフル・ライフ』を気に入った方は、『ベラのワンダフル・ホーム』も見てみてはいかがでしょうか?
『星守る犬』
『星守る犬』は村上たかしのベストセラー漫画を原作に、2011年に西田敏行主演で公開された映画です。
北海道の田舎町で遺体として発見された身元不明の男性とその飼い犬の足跡を、市役所職員がたどることで男性と犬に思いを馳せるというストーリーになっています。
犬を題材にした作品の見どころとして“人間と犬の関係性”というものが必ず描かれますが、『星守る犬』は友情や絆、愛情のどれか一つだけではない、生涯のパートナーとしての犬と人間の関係性が描かれています。
あるときは自由気ままな犬に振り回される飼い主とペットとして、あるときは一緒に遊ぶ友達として、あるときは孤独感を埋めてもらう存在として、そして最期は死をみとってもらう存在として…。
切なくも温かい男性と犬の旅路を通して、命について考えることができるとても素敵な作品です。
『星守る犬』のロケは東日本大震災が起こる前の東北でも行われていました。
公開当時の舞台挨拶で主演の西田敏行も語っていましたが、図らずも震災前の東北の姿を記録した映像がここにはあります。
物語とともに、かつての東北の姿に思いを馳せてみるのもいいかもしれません。
『犬に名前をつける日』
動物愛護センターから犬や猫を救い出している人々や東日本大震災で置き去りにされた動物を保護する人々。
『犬に名前をつける日』は、そんな方たちの活動を4年間にわたって追ったドキュメンタリーを、ドラマ仕立てに再構築した映画です。
愛犬を病気で亡くした主人公が映画監督である先輩の勧めで「犬の命」をテーマにした映画を撮り始めるところから物語は始まります。
この作品の最大の見どころは犬を飼う側や売る側に視点を当てているところ。
動物の店頭販売や悪質なブリーダーや虐待されるペットたち…。
これだけの内容だと重苦しい作品となってしまいがちですが、石田ゆり子のナレーションと主演を務めた小林聡美の柔らかみのある演技で、作品の雰囲気が沈みすぎないようになっています。
世の中には“家族”として温かく家庭に迎えられる動物たちもいれば 、悲しいことに“モノ”として扱われる動物たちがいるのも事実。
劇中で語られる理想に全肯定できない部分も人によってはあるかもしれませんが、こんな時代だからこそ、『犬に名前をつける日』で命の重みを再認識してみてはいかがでしょうか。
終わりに
犬と人間の関係性を通じて命について考えさせられる3つの作品を紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
小さなお子さんがいるご家庭なら、命について考える教育を始めるきっかけにしてもよいかもしれませんね。
少しでも興味を持っていただけたら嬉しいです。
それでは。