今度の舞台は日本で忍者!『G.I.ジョー 漆黒のスネークアイズ』

アメリカの男児向けおもちゃをベースとし、世界興収737億円を記録した映画『 G.I.ジョー 』シリーズの最新作『G.I.ジョー 漆黒のスネークアイズ』は、日本を舞台とした忍者アクション。刀剣アクションをハリウッド流に描き、日本人キャストも出演した本作を紹介する。

『G.I.ジョー 漆黒のスネークアイズ』あらすじ

平和を守る嵐影一門と裏切りの忍者の戦いが始まる!

鷹村という男が率いる闇の組織から秘密忍者組織“嵐影一門”の血を引く男・トミサブロウの命を救ったスネークアイズは、嵐影への入門を許可される。
600年の間、日本の平和を守り続けた嵐影は、悪の抜け忍集団と国際テロ組織“コブラ”連合軍による攻撃にさらされ、危機に瀕していた。
そんな嵐影の戦力として真の忍者となるべく、スネークアイズは嵐影の“3つの試練”に挑戦することに。
しかし、スネークアイズには内に秘めたある目的があって…。
果たしてスネークアイズと嵐影一門は、迫りくる敵の攻撃から世界を守る事が出来るのか!?

関西圏を中心に大規模ロケを敢行

嵐影一門の城は姫路城や岸和田城などで撮影

舞台の中心となるのは嵐影一門の城・嵐影城。
「いまどき日本にこんなところあるわけないだろ…」「秘密組織のアジトが城って逆にめちゃめちゃ目立ってないか…?」などのツッコミが思わず出てしまうほど、かなり広大な敷地面積を有することが伺える。
この大規模な舞台を用意するために、関西圏を中心に各地でロケが敢行された。
例えば、スネークアイズアイズが初めて嵐影城を訪れたとき、当代の頭領に会うための謁見の間は姫路城で撮影。
嵐影城が襲撃される際の外観などは、岸和田城がロケ地となっている。
他にも、兵庫県の圓教寺、大阪府の本徳寺や京橋、茨城県のワープステーション江戸などを活用し、本作の世界感を徹底的に構築しているのだ。

石田えり、平岳大など日本人キャストも出演!

主演は『クレイジー・リッチ!』のヘンリー・ゴールディング

主人公のスネークアイズを演じるのは、ヘンリー・ゴールディング。
映画『クレイジー・リッチ』の主人公の恋人であるニック・ヤンで俳優デビューを果たし、ワム!の同名楽曲をモチーフにした映画『ラスト・クリスマス』では不思議な魅力のある青年を、ガイ・リッチー監督のマフィア映画『ジェントルメン』では若き中国ギャングを演じてきた彼が、本作では新境地に挑む。

そんな彼に命を救われた嵐影一門の後継者トミサブロウを演じるのは、アンドリュー・小路(コージ)。
日系イギリス人の俳優で、あまり日本では名前を知る人も少ないかもしれないが、ブルース・リーがかつて作っていた原案をHBO製作でオリジナルドラマ化した「Warrior」シリーズで主演を務めている。
元々、10代でマーシャルアーツの勉強をはじめ、スタントマンとして活動していただけあって、アクションのキレや躍動感は見事なもの。
今後もブラッド・ピット主演で伊坂幸太郎の小説「マリアビートル」を原作にした映画『バレット・トレイン(原題)』に出演する予定もある注目の俳優だ。

嵐影一門は日本の秘密忍者組織だけあって、日本人キャストの出演はかかせない。(師範代は日本人ではないが)
嵐影一門を狙う組織を率いる男・鷹村を演じるのは平岳大。
組織を率いる男として後ろに控えるだけではなく、自身も刀を使ったアクションを披露している。
そして、嵐影一門の頭領であり、トミサブロウの祖母であるセンを石田えりが担当。
頭領としての存在感が抜群なのは言うまでもなく、終盤ではなんと戦闘に参加するなど、しっかりと記憶に残るような活躍でハリウッドに爪痕を残した。
他にも、嵐影一門の警備主任であるくのいち・暁子は海外を中心に活躍する安部春香が担当している。

肩ひじ張らない鑑賞がおすすめ

とにかく終盤が残念…

ここまで『G.I.ジョー 漆黒のスネークアイズ』の“良いところ”を上げてきたが、本作はかなり賛否両論の評価を受けており、興行収入的にも失敗してしまっている。
ここからは個人的な感想になってしまうのだが、序盤~中盤くらいまではスネークアイズの目的や葛藤で物語がどう転んでいくのかという期待感があるのだが、中盤~終盤にかけては「あんなに執着していたのに結局そうなるのか…」「お決まりのパターンになってしまったな」など、その前までに感じていた面白さを生かしきれていない残念さがあった。
鷹村との決着のつけ方についても、スネークアイズの内面的な成長を見せたいがための方法になってしまっている感じがして、少しもったいない気もする。
もちろん、面白い部分や“賛”の意見もあるため、気になった方はぜひご自身の目で観て、各々の感想を大切にしてほしい。

鑑賞の仕方としては、ハリウッドアクションを味わいながら勘違いジャパニーズに適度なツッコミをいれていく、肩ひじ張らない見方がおすすめだ。

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