ウィレム・デフォーが孤独な画家を演じ“ゴッホの死”の謎に迫る!『永遠の門 ゴッホの見た未来』
Ⓒ Walk Home Productions LLC 2018

これまで画家をテーマにした映画はドキュメンタリー、創作含めて多数製作されているが、その中でも世紀の天才画家・ゴッホに焦点をしぼった作品は断トツに多い。
『ゴッホ 最期の手紙』(2017年)、『フィセント・ファン・ゴッホ 新たなる視点』(2015年)、ベネディクト・カンバーバッチ主演『ゴッホ 真実の手紙』(2010年)、そして厳密に言うとゴッホを模倣した男の話だが『世界で一番ゴッホを描いた男』(2016年)など、ざっと近年の作品を振り返っただけでもこれだけタイトルが挙がる。
その中でも最も注目されたのは、今回紹介するジュリアン・シュナーベル監督作『永遠の門 ゴッホの見た未来』(2018年)だろう。
いまだベールに包まれている “ゴッホの死”に1つの答えを提示し、ウィレム・デフォーが苦悩する孤独な画家ゴッホを鬼気迫る演技で体現している。

美術史上最大の謎の1つである“ゴッホの死”

19世紀に活動したポスト印象派の画家フィンセント・ファン・ゴッホ。
1853年3月30日にオランダ南部の村ズンデルトで牧師の息子として生まれた彼は、オランダ・ベルギー国内を転々とした後に1886年にパリへと渡り、ポール・ゴーギャンと出会う。
そして、1888年に南フランス・アルルの「黄色い家」で、後から合流したゴーギャンと共同生活を送りながら代表作「ひまわり」「夜のカフェテラス」「種まく人」などを手がけている。
だが芸術へと真摯に向き合ううち精神を病んでいった彼は、1890年に療養所からパリ郊外へと移り、それから3ヶ月もたたないうちに銃による傷がもとで死亡。
37歳で早世したゴッホが生涯手がけた作品はスケッチもあわせると2000点以上にもなるが、生前に売れた絵は1枚だったと言われる。
彼の死については自殺、他殺と所説あり、美術史最大の謎の1つとなっている。

あらすじ

孤独な画家は新しい光を見つけるために居を移し…

画家として評価されないゴッホは、まだ見たことのない絵を描くために、“新しい光”を求めていた。
ゴーギャンの「南へ行け」というアドバイスに従い、南フランス・アルルの「黄色い家」へと居を移した彼は、豊かな自然に絶対的美を見出し、筆を走らせる。
しかし、ある時住民たちとトラブルになったゴッホは、強制的に病院に入院させられてしまう。
退院後、ゴッホはゴーギャンとの共同生活によって刺激的な創作活動をスタートさせるが、全てにわたって正反対だった2人の関係は長くは続かず…。

ゴッホの苦悩を体現したウィレム・デフォー

本作のメガホンをとったのは、自身もまた画家である『潜水服は蝶の夢を見る』(2007年)のジュリアン・シュナーベル監督。
ゴッホの絵画への情熱と想いをこれまでとは全く異なるアプローチで独自に解釈し、130年の時を超え、ゴッホに見えていた美しい景色の数々をスクリーンに映しとっている。
そして、類まれなる才能を持ちながら、生きている間に認められなかった早世の天才画家ゴッホを演じたのは、名優ウィレム・デフォー。
撮影当時63歳だったデフォーは、苦悩と孤独の中で魂を引き裂かれる37歳のゴッホを見事に演じきり、第75回ヴェネチア国際映画祭(2018年)ボルピ杯=最優秀男優賞を受賞、第91回アカデミー賞(2019年)では主演男優賞にノミネートされた。

放送情報

スターチャンネル1

[字]2021年4月24日(土)21:00~23:00
[字]2021年4月27日(火)15:40~17:45

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