ディズニープラスで配信中のマーベルドラマ『ホークアイ』。これまでのMCUでは地味な活躍だったホークアイが、いぶし銀のかっこいい姿を見せてくれる。最終話が配信となったいま、その魅力をネタバレありで紹介していく。
ドラマ『ホークアイ』あらすじ
果たしてホークアイはクリスマスまでに家族のもとに帰れるのか!?
『アベンジャーズ/エンドゲーム』の壮絶な戦いの後、人類を救ったものの、大事な親友であるブラック・ウィドウをはじめ、仲間を失ったホークアイ。
喪失感を抱えながらも、ようやく平穏な日々を取り戻しつつあった彼の唯一の望みは、アベンジャーズを辞めて家族と一緒にクリスマスを穏やかに過ごすこと。
しかし、彼の秘密である闇の世界の暗殺者”ローニン”の存在がきっかけとなり、新たな事件に巻き込まれていくことに…。
果たして彼は、次々と降りかかるトラブルを片付け、クリスマスまでに家族のもとに帰れるのか?
ニューヨークを舞台に繰り広げるホリデー・サバイバル・アクション!
第1話:ホークアイに憧れるケイト・ビショップが登場!
第1話では、ホークアイ(=クリント・バートン)パートとケイト・ビショップパートに分かれて進行。
中盤からはケイトパートを中心に物語が進行し、最後にクリントがケイトに接触して幕を閉じる。
幼い頃にニューヨーク市街戦(映画『アベンジャーズ』)に巻き込まれてしまったケイトは、チタウリから襲われそうになったとき、ホークアイが放った矢に助けられる。
それ以来、ケイトはホークアイに憧れるようになり、弓矢をはじめ、武道で優秀な成績を収める少女に育つ。
第1話は、そんな新キャラクター、ケイト・ビショップの生い立ちや人物像が中心の話となった。
パーティで母親が資産家のアーマンドと言い争いをしていたのを聞いたケイトは、アーマンドの後をつけてみることに。
すると、パーティ会場の地下では闇オークションが開かれていて、そこにはアーマンドだけではなく、彼の甥にして母親の再婚相手であるジャックの姿も。
母とジャックの再婚をあまり快く思っていなかったケイトは、そのオークションを監視するのだが、そこに突然、集団で侵入者が現れてオークションを襲撃し始める。
持ち前の性格で何とかしなければと思ったケイトは、オークションに出品されていた「ローニンのスーツ」を身にまとい、襲撃者たちを撃退しようとする。
辛くも逃げたケイトだったが、事の真偽を確かめようとアーマンドの家に侵入すると、そこには何者かに殺害されたアーマンドの姿があった。
その場から立ち去るケイトだったが、オークションを襲撃した集団に見つかり、襲われてしまう。
絶体絶命と思われたその時、パーティ会場から逃げるローニンの姿をニュースで見たクリントが駆けつけ、ケイトは憧れのヒーローとの邂逅を果たすのだった。
とこのように、第1話はクリントとケイトの出会いをはじめ、物語の導入が描かれたわけだが、何と言っても突然のアベンジャーズミュージカルには思わず笑ってしまった人も多いのではないだろうか。
しかも、第1作『アベンジャーズ』の内容を描いたミュージカルのはずなのに、なぜかアントマンがいるというツッコミどころも。
ミュージカル化にあたって無理やりねじ込まれたのかもしれないが、そう考えると実はあの世界において、アントマンは結構人気なのかもしれない。
当事者だったクリントが、何とも言えない表情で子供たちとそのミュージカルを観劇しているというのも笑いを誘う。
このミュージカルが気になった方は、ぜひ第6話を最後まで見てほしい。
第2話:クリントとケイトが事件に巻き込まれていく
第2話は、クリントとケイトが出会った続きからスタート。
この先、クリントとケイトは打ち解けていくことになるのだが、第2話ではまだクールな表情が多い。
そんな彼に対してケイトはグイグイと来るのだから、彼女がいかにクリントに憧れを持っていて、彼とともに行動できることに喜びを感じているのかが伺える話になっている。
憧れのヒーローとの出会いを果たし興奮するケイト。
そんな彼女からクリントは、盗まれたはずのローニンのスーツをなぜ持っているのか事情を聴き出し、スーツを取り戻そうとするが、例のオークションを襲ったジャージマフィアたちがケイトの家を火炎瓶で襲撃したことで回収を諦めざるを得なくなる。
別の家にケイトを移したクリントは、翌日、子供たちを母親が待つ家に先に行かせて、ケイトをジャージマフィアの襲撃とアーマンド殺人事件から解放してあげることを決める。
そのために、まずは火災現場からなくなってしまったローニンのスーツを回収したクリントは、わざとジャージマフィアに捕まって、ケイトは無関係だと嘘の主張をする。
だが、クリントの危機だと勘違いしたケイトが、ジャージマフィアのアジトに来て、あろうことか捕まってしまい…。
どんどん周囲に巻き込まれていくクリントだが、これ以降、クールだけじゃない一面も徐々に見え始める。
第2話では、火災現場から持ち去られたローニンのスーツを取り戻すため、“ラーパース”という集団のライブアクションロールプレイに参加しなくてはならなくなったシーンがそう。
一般市民相手に面倒を起こす気がなかったとはいえ、クリントならばどうにかすればスーツを盗むことだってできそうなのに、何だかんだでロールプレイに付き合ってあげるあたり、彼の人の好さが出ている。
第3話:謎のマフィアと直接対峙!
ケイトとクリントを捉えたジャージマフィアのボスは、かつてローニンとしてクリントが粛清したマフィアの娘・マヤだった。
父を殺された恨みをもつマヤは、ローニンのことを問い詰める。
隙を見て拘束を解いたクリントは、マフィアたちの注意をひきつけ、ケイトも解放することに成功。
その後、車を奪って逃走した彼らは、さまざまな特殊効果を発揮するトリックアローを駆使してジャージマフィアから逃げ切る。
一息ついたクリントとケイトは、ジャックがアーマンド殺しの犯人ではないかという疑いの証拠を探すため、ケイトの母が住む家に向かう。
ケイトの母が社長を務めるビショプセキュリティのデータベースにアクセスを試みてジャックのことを調べようとするが、家にいたジャックに見つかってしまうのだった。
第3話では、ついにクリントとケイトの本格的な戦闘シーンが見られる。
ホークアイとしての超絶的な弓矢の腕前は健在で、ジャージマフィアを圧倒しながらケイトを拘束から解放するクリントの姿がかっこいい。
また、第1話から垣間見えたケイトの弓矢の腕もなかなかのもの。
ジャージマフィアの追手を振り切る逃走シーンでは、クリントの指示を受けながらではあるものの、一つ一つの矢を正確に打ち込み、見事逃走に一役買っている。
加えて、ケイトの性格も第3話の見どころのひとつ。
武器をもったジャージマフィアの男たちに拘束された状態で物おじせずに会話できたり、憧れのクリント相手に「スーツを派手にして自己アピールした方が良い」と言ったりする一方で、補聴器を無くしたクリントが息子と電話で会話するのを手伝ってあげたりと、ただ自信家なだけではなく、家族を想う優しい面も見えて、ケイトという人物が深掘りされている。
そして、クリントがケイト“ヒーローの人生”を説くシーンでは、クリントが背負ってきたものを感じとりながらも、自信の憧れを曲げたくないケイトの意思の強さも見えてくる。
第4話:ついに“ウィドウ”が介入して…
ケイトの母・エレノアから「ケイトを巻き込まないでほしい」と告げられたクリント。
子供をもつ親として、その気持ちが痛いほど分かるクリントは、これ以上ケイトを巻き込まないことを約束する。
だが、自分のために家族のもとに帰れないクリントを気遣ったケイトは、彼が間借りしている家に押し掛け、ともに楽しいひと時を過ごす。
そのうち、クリントからナターシャとの想い出や指パッチンのときの話を聞いたケイトは、彼こそがローニンだったのだと気が付く。
翌日、クリントはジャージマフィアのカジとマヤの話をしに、ケイトはトリックアローを回収するためにラーパースのもとへ向かい、それぞれ目的を達成したふたりは、クリントが探す“腕時計”を回収するために、とあるアパートへ。
クリントの計画を聞かずに勝手に突入してしまったケイトは、指示を受けながら腕時計を探すが、その部屋の主であるマヤに襲われてしまう。
同時に、クリントを謎の女が襲撃し、ふたりは混戦状態に。
辛くも襲撃者とマヤを振り払うが、謎の女がウィドウであることに気が付いたクリントは、状況が変わったとして、ケイトに帰るよう突き放すのだった。
第4話は、クリントとケイトの関係性がぐっと縮まるエピソード。
クリントはケイトをこれ以上巻き込まないようにするが、それはあくまでも心配してのこと。
ケイトのことは信頼しつつあることがクリントの態度から見て取れるし、コインを弾き飛ばすテクニックを伝授するなど、何だかんだで彼女のことを認めてもいるのだ。
だが、クリント&ケイト VS ジャージマフィアの構図に、ウィドウことエレーナ・ベロワが新たに参戦したことで状況が変化する。
映画『ブラック・ウィドウ』を見ていない人からすると唐突な登場に感じたかもしれないが、見ていた人ならば『ブラック・ウィドウ』のエンドロール後のムービーで、エレーナが本作に登場することを予想していた人は多いだろう。
残り2話にして、クリントとエレーナの、ブラック・ウィドウことナターシャに因縁をもつ二人の話が一気に動き始めるのだ。
第5話:事件の黒幕“キングピン”の存在が明らかに!
ウィドウが介入してきたことに加え、アーマンド殺人事件やジャージマフィアの裏で糸を引いていたのが、マーベルではおなじみの“キングピン”だったことも明らかになる第5話。
クリントがローニンとしてマヤと決着をつけるなど、物語がクライマックスに向けて一気に加速していく注目の回だ。
ウィドウことエレーナの介入が発覚したことで、クリントからこれ以上関わらないように言い放たれたケイトは、悔しい思いを抱えながらも、ジャックがアーマンド殺しに関わっている可能性がある母・エレノアに伝え、ビショップセキュリティのデータベースで彼の身辺調査をしてほしいと依頼する。
その後、ケイトが一人暮らしの自宅に戻ると、そこにはエレーナが待ち構えていた。
エレーナも指パッチンで空白の5年間が生まれてしまっていたひとりであり、その間に最愛の姉・ナターシャを失ってしまった彼女は、ナターシャを助けられなかったホークアイを恨んでいることが分かる。
翌日、ケイトがエレノアの住む家に向かうと、エレノアの通報でジャックがアーマンド殺しで任意同行させられていた。
居ても立っても居られず、ケイトは自らの正義感に従ってクリントに何度も電話をかけるが、ずっと留守番電話が続くまま。
その頃クリントは、ブラック・ウィドウが介入してきたことで家族にも危害が及ぶ可能性が出てきたと考え、ローニンとしての決着をつけるためにマヤをおびき出す。
ローニンの姿でマヤと直接対決し、自分と家族に近づかないように忠告するとともに、かつてマヤの父親を殺すように仕向けたのは、マヤのボスの情報屋からのタレコミがだったと言い残す。
駆け付けたケイトにフォローされて車で移動する最中、ウィドウの正体がナターシャの妹・エレーナだと告げられたクリントは、一時的にケイトと避難することに。
翌日、ケイトの携帯にエレーナからメッセージが入り、エレーナを雇ったのがケイトの母・エレノアだったこと、そのエレノアがホークアイが危険視するキングピンと接触していたことを知らされるのだった。
キングピンとは、マーベルコミックの中でニューヨークを裏で牛耳る存在として登場する人物で、スパイダーマンやデアデビルの敵として描かれてきた。
スーパーパワーをもっているわけではないが、人間としては圧倒的な腕力を誇り、加えて頭も切れるというなかなかに厄介な人物。
MCUの作品では、Netflixドラマ『デアデビル』のシーズン1に大ボスとして登場している。
近年の作品でいうと、MCUではないが、映画『スパイダーマン:スパイダーバース』でも大ボスとしてスパイダーマンたちを苦しめた。
第6話:ケイトの母を救うためにふたりは真の相棒へ
ケイトの母・エレノアが裏社会の危険人物であるキングピンと接触していたことが発覚した第5話のラスト。
陰謀の真相に直面としたクリントとケイトは、相棒としての真の絆を築いていくことになる。
ふたりの見事な相棒っぷりや弓矢を軸としたアクション、「正義のヒーローとは何か?」など、ドラマ『ホークアイ』らしいエッセンスがたっぷり詰まった最終話だ。
ケイトの母・エレノアがキングピンとアーマンド殺害について取引していて、なおかつクリントを殺害するためにエレーナを雇っていたことを知ったクリントとケイト。
同時に、エレノアがキングピンとの関係性を断ち切ろうとして、キングピンから不興を買ってしまったことを知る。
このままでは、エレノアがキングピンに殺されてしまうと考えたクリントは、エレノアを守るためにケイトに力を貸すことを提案。
クリントが家族と過ごせなくなることを心配したケイトはその申し出を断るも、クリントから「君は俺の相棒だ。これは俺の問題でもある。」と言われ、ふたりで協力してエレノアを助けることに。
エレノアが参加するパーティ会場に潜入したクリントとケイトは、ジャージマフィアたちからの襲撃に応戦しながらエレノアの姿を探す。
見事な連携とトリックアローでジャージマフィアたちを撃退していくクリントとケイトだが、会場にはクリントの命を狙うエレーナも潜入していて、事態は混戦状態に。
パーティ会場から逃げようとしたところをキングピンに見つかったエレノアを助けるため、ケイトはキングピンに戦いを挑むが、その圧倒的なパワーで苦戦を強いられてしまう。
トリックアローも折られてしまい絶体絶命かと思ったとき、トリックアローの残骸の配置から機転を利かせたケイトは、クリントから教えてもらったコイン飛ばしのテクニックで、トリックアローを起動させることに成功。
キングピンを気絶させ、エレノアを救出したケイトは、アーマンド殺害容疑で母を警察に引き渡す。
一方、エレーナに襲撃されたクリントは、ナターシャが自ら犠牲になって世界を救ったのだと説得するも、エレーナはそれを信じずにクリントを痛めつける。
だが、ナターシャとエレーナの思い出の口笛をクリントが吹いたことで、エレーナはついにクリントの話に耳を傾け、ナターシャの思いや決意を聞き届ける。
クリントに手を差し伸べたあと、エレーナはどこかに立ち去っていくのだった。
後日、ケイトをつれて家族のもとへと帰ったクリントは、ケイトとともにローニンの衣装を燃やし、この物語に幕を閉じるのだった。
最終話の見どころは、やはりクリントとケイトの相棒感。
ふたりが連携して戦う様はもちろん、戦闘の合間に交わされるコミカルな掛け合いなど、短い時間ながらもふたりが築いてきた絆の強さが伺え、見ていて安心できるのだ。
また、ケイトはもちろんのこと、クリントもケイトに影響されながらヒーローとして成長していて、バディものとしての楽しさがきちんとある。
また、エンディング後にはマーベルからのクリスマスプレゼントとして、第1話でクリントたちが見ていたアベンジャーズミュージカルのロングバージョンが流れるのでお見逃しなく。
クスッと笑えて、なんだか明るい気持ちで締めくくってくれること間違いなしだ。
【まとめ】ホークアイのことが好きになる最高のドラマ
映画『アベンジャーズ』から登場しているため、名前も顔も活躍も観てきたけれど、ドラマの中でケイトが言っていたとおり、いまいち地味だったホークアイ。
「何となく弓を使うやつ」程度の認識で、キャラクター像や強さにピンと来ていなかった人も、このドラマを見ればホークアイのカッコよさや可愛いところ、家族のことを大切に思う人間らしさを知って、彼のことが好きになるはずだ。
今後のMCUでホークアイがどんな活躍をするのか、そもそも登場するのかなどは不明だが、きっとこのドラマを見終わった後は、彼の登場を願う声も大きくなるはず。
それくらい、本作はひとりのキャラクターの魅力を存分に描き切ったよくできたドラマだと筆者は感じた。
また、ケイトという積極的で自信家なキャラクターの存在がクリントの魅力をさらに引き出すだけでなく、笑えるパートと真面目なパートのメリハリを作り出しているのもグッド。
ドラマとしても、見ていて飽きないクオリティの高いものに仕上がっている。
ほかにも、クリント役のジェレミー・レナーをはじめとする素敵なキャストたちの演技、視覚的に面白いトリックアローを用いたアクションなど、文章では伝えきれない魅力がまだまだたくさんあるので、本記事を見て興味を持った方は、是非とも彼らの活躍を映像で見てほしい。