実力派女優・檀れいが初主演作『太陽とボレロ』で感じた“幕引きの後に残るもの”とは

俳優の水谷豊が、監督・脚本を務める映画の3作目『太陽とボレロ』が6月3日(金)公開される。ある地方都市を舞台に、アマチュア交響楽団の解散をめぐる喜悲劇を描いたヒューマンドラマだ。主演は、意外にも今作が映画初主演となる実力派女優の檀れい。18年の歴史を誇る“弥生交響楽団”の主宰者・花村理子を演じ、曲者揃いの楽団員や資金繰りに頭を悩ませながら奮闘する役どころだ。以前から水谷監督のファンだったと言う壇れいに、今作の撮影秘話を語ってもらった。

出演が決まった心境

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「クランクインの時は、丸裸のような気持ちに。『すべて見透かされているんじゃないか』って」

以前、水谷さんとお会いした時、前2作の監督作について「あのシーンはどんな風に撮影したのですか?」なんて興味津々で質問をしてしまったくらい、素敵な映画を作る監督だなと感じていました。その水谷組に今回参加できると決まった時は、跳び上がるくらい嬉しかったですね。だけど、クランクインの時は、丸裸のような気持ちでした。同じ俳優でもある水谷監督だからこそ「すべて見透かされているんじゃないか」って(笑)。俳優独特の緊張感や苦労をよく理解している水谷さんだからこそ、委ねることは委ね、監督の「O K !」の声を頼りに撮影しました。

主人公の花村理子は、弥生交響楽団の運営のほかにも、家業のファッションブランドの経営、母親の介護など、様々なものをひとりで抱えている女性です。そんな理子というキャラクターを作り上げるにあたって、水谷監督は「檀さんの色んな表情を撮りたい」とおっしゃって下さいました。楽団員や母、取引をほのめかす元同僚に対して、それぞれ違う理子の顔をのぞかせることができたと思います。

水谷豊監督の絶妙なディレクション

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「感情の微妙な表現をコントロールしながら、私を導いてくれました」

水谷監督の「やり過ぎず、やらなさ過ぎず」という演出も印象的でしたね。例えば、解散が決まった弥生交響楽団の面々が映ったアルバム写
真を理子が眺める場面。私は、感情がいっきに込み上げた方がいいのかと涙の準備をしていましたが、監督は「まだ涙は堪えて。アルバムの次のページを開いてから」と言いました。水谷監督はそういう感情の微妙な表現をコントロールしながら、私を導いてくれましたね。

また、水谷監督の作品は画や音楽がとても綺麗なんです。冒頭の緑の中を進んでいくと森の中にコンサート会場が現れるシーンや、ファッションプラザ花村のまわりの景色など…。「日本なんだけどここはどこなんだろう」というような、美しくしゃれた景色が多いなと感じました。

クライマックスの「ラストコンサート」

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「『願えば叶う。願い続ければ叶う』という劇中の言葉が一番好き」

クライマックスの「ラストコンサート」は、キャストが実際に演奏している圧巻のシーンです。皆さんゼロから楽器を学んで、いくつもの曲を習得されていました。しかも、新型コロナウイルスの影響で、撮影が1年延期になるなどの予定変更がありましたから、このシーンにかける想いは並々ならぬものがあったはずです。私は理子として、観客席でこの最後の演奏を聴いていたのですが、不思議と悲しい気持ちは湧かず、ただただ誇らしい感情でいっぱいになりましたね。

劇中に登場する「願えば叶う。願い続ければ叶う」という言葉が、私は一番好き。理子も様々な苦難があろうとも「弥生交響楽団に相応しい最期を」と願い続けたからこそ、神様のギフトのようなサプライズがあったんですよね。物語の最後には切なさじゃなく、温かい希望が残る。理子のような生き方っていいなと思います。

REI DAN
1992年、宝塚歌劇団に入団。月組および星組のトップ娘役として活躍する。06年の退団後、山田洋次監督作『武士の一分』のヒロイン役で銀幕デビューを飾り、第30回日本アカデミー賞優秀主演女優賞と新人俳優賞を受賞。その後、CM、ドラマ、映画などで活躍中。

Photo:塚原孝顕 Text:水越小夜子・エムクラ編集部 Styling:髙橋正史(OTL) Hair&Make:黒田啓蔵

アマチュア交響楽団を主宰する花村理子(檀れい)は18年間、個性豊かなメンバーとともに活動してきた。しかし経営は苦しく必死に奔走する彼女だったが、ついに解散を決断。楽団員にラストコンサートの開催を提案するが…。
監督:水谷豊
出演:檀れい、石丸幹二、町田啓太、森マリアほか
●2022年6月3日(金)全国ロードショー

©2022 「太陽とボレロ」製作委員会

(情報は公開時点のものです)

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