松本幸四郎×山口馬木也

シリーズ最新作で再タッグ
平蔵の危機を救うために親友が立ち上がる
2024年にスタートした松本幸四郎主演・池波正太郎原作「鬼平犯科帳」シリーズが、早くも3年目に突入。2026年新春に、シリーズ最新第7
弾「兇剣」がいよいよ時代劇専門チャンネルで独占初放送される。今作では第1弾「本所・桜屋敷」に登場した平蔵の若かりし頃からの親友・岸井左馬之助(山口馬木也)が再登場。映画『侍タイムスリッパー』の大ヒットによって一躍脚光を浴びた山口が今回どのような活躍を見せるのか。主演の幸四郎とのツーショットインタビューで、撮影の舞台裏、そして今も愛される池波正太郎原作時代劇の魅力について語る。
「それぞれに人生と歴史がある、特別な存在」(幸四郎)
「幸四郎さんのリアクションにシビれました」(山口)
幸四郎 「本所・桜屋敷」で最初にお会いした時から「あぁ、左馬之助ってこういう人だよな……」という話をしていたくらいで、本当に馬木也さんとご一緒できてよかったと思っています。
山口 うれしいです。こうして幸四郎さんと、平蔵と左馬之助として目線を合わせることができる。そのことに大きな喜びを感じました。
幸四郎 左馬之助は平蔵がまだ「本所の銕(てつ)」と呼ばれていた頃からの親友ですから。息の合った親友同士の目には見えない部分を映像として伝えたいということは意識しましたね。
山口 左馬之助が駆けつけた時の、平蔵のリアクション。シビれました。あれこそが、セリフはなくても伝わってくるものなんだろうと思います。特に細かい説明がなくても、私たちの顔や目線を見れば一発でわかる。やっぱり素敵だなぁ……そんなことを、いつも幸四郎さんの隣で考えていました。
幸四郎 ……え、なに? よく聞いてなかった(笑)。
山口 ほら、こんな感じ。私はそういう幸四郎さんのひょうひょうとした佇まいに奥行きというか、「鬼平犯科帳」はもちろん、「剣客商売」や他の池波作品にも共通するユーモアを感じるんです。大きな器をあえて逆さにして、底の部分でお酒を飲むようなイメージですね。
幸四郎 「時代劇といえば鬼平」とよく言われますが、それ以前に人間ドラマです。「鬼平犯科帳」という大きな器に私たちがいて、与力・同心や密偵たちがいて……、今までのエピソードで出来上がったこのチームの関係性をしっかりと掘り下げていきたいですね。善人にも悪人にも人生があって、人間味がある。平蔵自身も、誰かを悪人だ善人だと決めつけることはせず、人と正面から向き合っていきます。それこそが、いつの時代でも受け入れられて、なにかを感じてもらえる部分なのでしょう。これからも数を重ねていくことが、作品を愛してくださる方々へのなによりの恩返しになるのではないかと思っています。

1973年生まれ。1979年に初舞台を踏み、舞台「アマデウス」(1995年)、映画『阿修羅城の瞳』、『蟬しぐれ』
(2005年)など、歌舞伎のみならず、多くの作品に出演している。2018年に十代目松本幸四郎を襲名。2025年は三谷幸喜の作・演出による歌舞伎座公演「歌舞伎絶対続魂(ショウ・マスト・ゴー・オン) 幕を閉めるな」も大きな話題となった。
1973年生まれ。1998年に俳優デビュー。2003年ドラマ「剣客商売」で藤田まこと演じる主人公の息子役とし
て出演。以来、時代劇への出演多数、長編映画初主演『侍タイムスリッパー』(2024年)が大ヒットし、日本アカデミー賞、ブルーリボン賞など多くの賞を受賞。2026年は、NHK大河ドラマ「豊臣兄弟 ! 」、2月27日公開予定映画『木挽町のあだ討ち』の出演が控える。
長谷川平蔵(松本幸四郎)は同心・木村忠吾(浅利陽介)を伴い、父・宣雄の墓参のため16年ぶりに京都を訪れた。墓参を終えた平蔵と忠吾は宿に向かう道中、ならず者に追われる物言わぬ娘・およねを助ける。平蔵は、京都西町奉行所の与力・浦部彦太郎(内藤剛志)を頼り、奉行所に彼女を預け、奈良へ発とうとするが、およねは突然、平蔵に同行を懇願する。奈良に向かう平蔵一行に大盗賊・高津の玄丹一味の魔の手が迫る。本編後にはスペシャルトーク番組も放送。
出演:松本幸四郎、山口馬木也、内藤剛志他
時代劇専門チャンネル 1月10日 後1.00~3.00 【再放送】10・31日

©日本映画放送
Photo:平野司/Text:真鍋新一/ヘアメイク:鶴﨑知世(松本幸四郎)/石部直子(山口馬木也)/スタイリスト:川田真梨子(松本幸四郎)/衣装協力:ヨウジヤマモトプールオム・ヨウジヤマモト プレスルーム




