「このマンガがすごい!2011オンナ編」で1位2位を独占するなど、今最も注目される漫画家・ヤマシタトモコの大ヒット作を実写映画化したミステリー・エンターテインメント『さんかく窓の外側は夜』が公開される。“除霊”を生業とする心霊探偵バディが、ひとりの女子高生が糸をひく怪奇事件に挑む。本作でW主演を務めるのは、人気若手俳優の岡田将生と『劇場版おっさんずラブ 〜LOVE or DEAD〜』の出演でも注目された志尊淳。初共演となった2人に、撮影秘話を語ってもらった。
お互いの印象について
「6つ年下だけど友達みたいに話せる(岡田)」
「先輩だけど“まーくん”と呼んでいます (志尊)」
岡田:淳くんとの撮影はとにかく楽しかったです。僕より6つ年下だけど、とてもしっかりしていて、カットがかかった後は友達みたいに話せましたね。
志尊:僕は岡田さんのことを、先輩だけど“まーくん”と呼んでいます。メインキャストの共演者である平手友梨奈ちゃんと3人で「どう呼び合おうか」と話して決まったんです。3人とも初共演だったけど、まーくんが率先して演技の方向性を提案してくれたり、食事にも誘ってくれて…。それに、意見を受け止めてくれる懐の深さもあって、本当に優しくしてくれました。
岡田:すぐに信頼し合えたから、あの除霊シーンもより近くなれたのかも。あのシーンは、僕が後ろから淳くんを抱きしめるポーズになるんですけど、僕はちょっと色っぽさを出したかったというか…(笑)。
志尊:でもあの撮影の時は「バックハグなんて、初めてだよ~」って言っていたよね。僕もあの“岡田将生”からのバックハグですから、ドキドキしちゃいました(笑)。岡田将生ファンの方々には申し訳ないんですけど…。
岡田:あはは、なにそれ! そんな風に撮影中は終始穏やかに過ごしていました。だけど、ただひとつ僕は幽霊に扮した役者さんのビジュアルが恐ろしくて堪りませんでした。
志尊:まーくんはずっとビビッていたよね(笑)。
岡田:気を抜くと幽霊がすぐ近くにいたりするから! 真っ白な衣装に死神のような黒いメイクの幽霊が、撮影中に殺風景な部屋にいたり、街の交差点で佇んでいると、やっぱり怖い。視覚的な恐さにはかないません。
志尊:僕は池で溺れるというシーンで、深さ5mのプールに入ったのが怖かったです。女性の霊に池の中で足を掴まれる場面なのですが、本番で水に潜って酸素ボンベを外した時、苦しくて「終わったな…」と感じました。結果、リアルな演技ができて良かったです (笑)。
森ガキ侑大監督について
「監督への最初の印象は“とにかくしゃべり倒す”(岡田)」
「とにかく優しくて、気遣いされる方(志尊)」
岡田:森ガキ侑大監督に対する僕の最初の印象なんですけど、“とにかくしゃべり倒す”でした。多分それが監督のコミュニケーションの第一歩なんです。まず圧倒するぐらい情報量を与えて下さって、そこから何か大事なところを掬い取っていきます。そうすると監督の人間性が色濃く分かってくるのかなと。この作品に向き合うためにはどうすべきかというお話をし、最初から監督に心を開いて信頼して作っていきました。だから、現場でもやっぱり森ガキ監督だからできたチームワークがありました。何だか変な緊張もなく「すー」と役に入って本番が始まっていく現場だったので、居心地がとても良かったですね。
志尊:とにかく空気感がものすごく良かったです。それってやっぱり森ガキさんがモットーとしている “楽しくものづくりしよう”という原点の部分が、すごく現場で感じられるんですよね。役者にも説得力があるようなプレゼンを毎回して下さって、こういうものが来ます、という抽象的なものではなく、例えば実際に蝶々の標本みたいなものを持ってきて、「このぐらいの大きさの蝶々が100匹くらい来ます」とか、CGを前もって作ってくれたものを見せてくださり、こんなふうになるという説明をしてくださいました。
岡田:そんなこと、なかなかないよね。 志尊:一緒に作ってくれる感じがして、しかも人がものすごく良い。とにかく優しくて、気遣いされる方なんですよ。かといって、仕事だけではなく、まーくんと森ガキさんと3人でご飯に行ったりしました。そこでくだらない話をしたりして、そういう時間も含めて素敵だったなと思いますね。
本編について
「本編の“画”がカッコ良すぎる! (岡田)」
「この作品にはすごく熱量を注ぎました(志尊)」
岡田:本編を観て、心霊探偵バディと平手ちゃん演じる謎の女子高生の三角関係がピッタリとハマっていると感じました。それから、照明や編集があいまって“画”がカッコ良すぎる! こだわりを感じる現場だったけど、仕上がりは想像以上でしたね。
志尊:僕自身、この作品にはすごく熱量を注ぎました。皆で愛情を込めて作ったからこそ、完成してしまったのが少し寂しいくらい。今作はファンタジーだけど「本当にこんな世界があるんじゃないか」と思わせてくれる一作です。ぜひ皆さんに観ていただきたいです。
岡田将生(MASAKI OKADA)
1989年8月15日生まれ。
2007年『アヒルと鴨のコインロッカー』でスクリーンデビュー。09年に『重力ピエロ』や『僕の初恋をキミに捧ぐ』など多数の作品に出演し、映画新人賞を独占する。その後、CMやTVドラマ、舞台で活躍。今年は、『星の子』(20)やドラマ『タリオ 復讐代行の2人』に出演している。
志尊淳(JUN SHISON)
1995年3月5日生まれ。
2011年、人気ミュージカル『テニスの王子様』で俳優デビューする。14年に『烈車戦隊トッキュウジャー』の主演に抜擢され、一躍注目の的に。近年は、昨年の話題作『劇場版おっさんずラブ~LOVE or DEAD~』の出演に加え、今年は『極主夫道』など4本のTVドラマでメインキャストを務める。
Photo:塚原孝顕 Text:水越小夜子・エムクラ編集部 【岡田将生】Styling:大石裕介 Hair&Make:中西樹里 【志尊淳】Styling:手塚陽介 Hair&Make:礒野亜加梨(スタジオまむ)
幽霊が視える特異体質の青年・三角(志尊淳)は、黒づくめの怪しげな除霊師・冷川(岡田将生)に誘われて彼の助手となることに。ある日、刑事から1年前に発生したバラバラ連続殺人事件の話を持ち掛けられ…。
監督:森ガキ侑大
出演:岡田将生、志尊淳ほか
2021年1月22日(金)全国ロードショー
(情報は記事公開時点の内容です)