『パラサイト 半地下の家族』のポン・ジュノ監督による『母なる証明』。殺人の容疑者となった知的障害のある息子を救うため、奔走する母親の姿を活写した傑作サスペンスストーリーです。今回は結末が気になる本作品の内容をネタバレなしに紹介します!
韓国で300万人を動員したヒット映画
ポン・ジョノ監督ならではの余韻の残る結末
韓国で大ヒットした2009年公開の映画『母なる証明』。
主人公である“母”(キム・ヘジャ)は、知的障害があるトジュン(ウォンビン)を溺愛する愛情深き女性です。
純真無垢なトジュンは悪友のジンテ(チン・グ)とトラブルばかり起こし、そのたびに母親は金銭的にも精神的にも犠牲を払うことになります。
これまで、『殺人の追憶』で連続殺人を、『グエムル/漢江の怪物』で怪物と対峙することになる一家を描いたポン・ジュノ監督は、本作で期せずして殺人の容疑者として逮捕された愛する息子を助けるために、巨大な壁に果敢に立ち向かうことになる母親の姿を活写しています。
見どころは、非力ながらも自ら事件の真犯人を探し出すことを決心した母親のハラハラするような捜査シーン。
2人で寄り添いながら暮らす母と息子の運命の行きつく先を見届けて欲しいです!
映画『母なる証明』あらすじ
サスペンス薫る壮絶な人間ドラマ
韓国のとある田舎町。
1人で息子のトジュンを育てる母は、漢方薬を刻みながら、通りで犬と戯れる知的障害のある息子の姿を心配そうに見守っていた。
そこに急スピードのベンツが突っ込みトジュンを転ばすが、そのまま走り去ってしまう。
怒ったトジュンと悪友のジンテはゴルフ場の駐車場に止まっているベンツを見つけだし、ジンテはドアミラーを蹴り落として破損させる。
そしてベンツの所有者である大学教授によって逆に損害賠償を要求されるが、結局トジュンの母が賠償することに。
自分が罪を被せられたことに気がつかないトジュンはジンテと飲みに行く約束をするが、ジンテは現れず、酔って帰宅途中に女子高生アジョンに声をかける。
アジョンからつれなくされ、自宅に戻ったトジュンは母親の寝床で共に就寝。
翌朝、廃墟の屋上でアジュンの遺体が発見され、トジュンは犯人として逮捕されてしまう…。
ウォンビンの兵役復帰後第一作目
純真無垢で真っすぐな眼差しをもつトジュンを熱演!
真犯人を探す孤立無援の母親の姿がサスペンスタッチで描かれながらも、お互いを思いやる強い絆で結ばれた親子愛に胸が熱くなる『母なる証明』。
第72回カンヌ国際映画祭では「ある視点」部門で上映された、注目の衝撃作です。
韓流四天王の一人と呼ばれ、韓流ブームを牽引したウォンビンが、兵役後にリハビリをして復帰作に選んだのが本作でした。
そのウォンビンは、純真無垢なトジュンを熱演し、母親役を務めた韓国の国民的人気俳優であるキム・ヘジャとともに、この親子を見事演じきりました。
そして、『甘い人生』『王の預言書』のチン・グが、トジュンの悪友ジンテに扮しています。
ポン・ジュノ監督が『パラサイト 半地下の家族』で世界的に有名になった今だからこそ、是非見てほしい一作です。
『母なる証明』作品情報
原題:Mother
監督:ポン・ジュノ
脚本:パク・ウンギョ、ポン・ジュノ
出演:キム・ヘジャ、ウォンビン、チン・グ、ユン・ジェムン、チョン・ミソン ほか
製作年:2009年
製作国:韓国
上映時間:129分
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