鬼才ダリオ・アルジェント監督が手掛けた伝説のイタリアンホラー『サスペリア』(1977年)を、アカデミー賞で脚色賞に輝いた『君の名前で僕を呼んで』のイタリア人監督ルカ・グァダニーノ監督がリメイクした『サスペリア(2018)』。
芸術的挑戦とおぞましくも美しい官能美にあふれた本作は世界で賛否両論を巻き起こし、センセーショナルな衝撃作として注目の的に。
また、オリジナル音楽の制作をあまり行わないグァダニーノ監督だが、『サスペリア(2018)』ではレディオヘッドのトム・ヨークが初めて映画音楽を担当したことでも話題となった。
ぜひ音楽にも耳を傾けてみてほしい。
概要
グァダニーノ監督がリメイクを夢見続けたアルジェント版『サスペリア』
1977年に製作されたアルジェント版『サスペリア』では、ドイツのバレエ学校に入学した若い娘を襲う恐怖を描いている。
カーテンや壁紙、ステンドグラスなど赤・青・黄色の極彩色がふんだんにあしらわれたこの作品は、どこかファンタジー的異世界を感じさせつつ容赦ないスプラッタ描写が効いた戦慄のホラーだ。
グァダニーノ監督は10歳の頃に出会ったアルジェント版『サスペリア』のポスターに強烈に惹きつけられ、13歳で本編を観て以来、この伝説のホラーをリメイクすることを夢見ていたのだという。
本作ではアルジェント版の設定やキャラクターを踏襲しながらも、グァダニーノ監督ならではの恐怖や愛と癒しがふんだんに盛り込まれている。
その全く予測できないストーリー展開に新鮮な驚きを感じるとともに目が離せなくなるだろう。
なお、1977年当時日本中を震撼させた「決してひとりでは見ないでください」というキャッチコピーは、グァダニーノ監督の日本版でも使用された。
アルジェント版とグァダニーノ版をあわせて観るリメイクならではの楽しみ方もおすすめだ。
あらすじ
世界的に有名な舞踏団に入団した主人公の周囲で、不可解な出来事が次々と起こり…
1977年、世界的な名門舞踏団「マルコス・ダンス・カンパニー」に入団するため、スージー・バニヨンがアメリカから西ベルリンにあるアカデミーまでやってくる。
オーディションで踊りを披露したスージーは、カリスマ振付師マダム・ブランの目に留まり、晴れて入団することに。
しかし、常に異様な雰囲気が漂うアカデミーでコンテンポラリーダンスのレッスンを続けるスージーの周囲で、不可解な出来事や失踪事件が次々と起こり始める。
一方、「マルコス・ダンス・カンパニー」に所属する少女パトリシアから、舞踏団では悪魔崇拝を行っていること、そして3人の魔女がいることを知らされた心理療法士のジョゼフ・クレンペラーは、その後、パトリシアが音信不通となっていることに不信感を抱き、アカデミーを訪れるのだった。
見どころ
『サスペリア(2018)』を彩る3人の実力派女優
ダンサーになることを夢見る主人公のスージーを演じるのは、『胸騒ぎのシチリア』(2015年)に続いてグァダニーノ監督とタッグを組んだダコタ・ジョンソン。
『胸騒ぎのシチリア』の撮影中にこのリメイクへの出演を打診されたのだという。
そして、マダム・ブランに扮したのは『ミラノ、愛に生きる』(2009年)や『胸騒ぎのシチリア』のほか数々のグァダニーノ作品に出演するティルダ・スウィントン。
グァダニーノ監督が“古くからの友人”と公言するティルダは、本作でブランを含めた3役を担当。
役柄により雰囲気をガラっと変えているので、見逃さないようじっくりと観て欲しい。
またこの他にもミア・ゴス、クロエ・グレイス・モレッツなど若手実力派女優も出演し、『サスペリア(2018)』を恐ろしくも妖しく彩った。
放送情報
[字]2021年6月13日(日)21:00~23:45
[字]2021年6月23日(水)25:15~28:00
[字]2021年7月7日(水)20:15~23:00
[字]2021年7月19日(月)24:15~27:00
[字]2021年7月29日(木)27:15~30:00