世界経済の破綻を予測した金融マンの姿を追う『マネー・ショート 華麗なる大逆転』
Ⓒ 2020 Paramount Pictures.

2008年にアメリカの投資銀行リーマン・ブラザーズが経営破綻したことが引き金となった「リーマン・ショック」。
世界経済が混乱の渦に巻き込まれる中、その破綻を予測した4人の金融マンがいたという実話を基に描かれたのが『マネー・ショート 華麗なる大逆転』だ。
本作は第88回アカデミー賞で作品賞・監督賞・助演男優賞・編集賞・脚色賞の5部門にノミネートされ、脚色賞を受賞している。

あらすじ

2005年のニューヨーク。
ヘビメタ好きの金融トレーダー・マイケル(クリスチャン・ベイル)は綿密な調査の結果、住宅ローン市場が焦げ付き、市場崩壊することを予測する。
マイケルのアドバイスはウォールストリートの銀行に一蹴されてしまうが、それでも破綻することを信じた彼は債券のリスクを保証する「CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)」で銀行の裏をかくことに。
そんなマイケルの読みに賛同する野心あふれる銀行家ジャレッド(ライアン・ゴズリング)やヘッジファンド・マネージャーのマーク(スティーヴ・カレル)もまたCDSに投資。
その一方、一線を退いた伝説のトレーダーのベン(ブラッド・ピット)は若き投資家からCDS市場への参入を相談され…。

経済や投資のヒントが詰まった実話を基にした人間ドラマ

2000年初期、アメリカでは住宅の価格が上昇し、住宅ローン債権などの金融商品が市場を賑わせていた。
ノンフィクション作家マイケル・ルイスによる『世紀の空売り 世界経済の破綻に賭けた男たち』を原作とする本作は、住宅バブルが弾けることをいち早く予測した4人の金融トレーダーがウォール街を出し抜き、4000億円もの利益を稼ぎ出す姿を追った手に汗握る実話ドラマだ。
「ショート」とは投資物件なしに物品を販売し、その差額で利益を上げる取引のこと。
本作が映す“お金儲けの仕組み”と“経済のからくり”は少々難解かもしれないが、銀行の闇を突き、巨額の富を築いたアウトローたちのサクセスストーリーには痛快な気分にさせられることだろう。

4人の個性派トレーダーを豪華キャストが競演!

ブラッド・ピットが率いる「プランBエンターテインメント」が製作する本作。
アダム・マッケイがメガホンを取り、クリスチャン・ベイル、ライアン・ゴズリング、スティーヴ・カレル、ブラッド・ピットら豪華俳優陣が4人のトレーダーに扮し、それぞれに個性的な演技で魅せている。
クリスチャン・ベイルは本作に続き、『バイス』(2018年)でマッケイ監督と再タッグ。
大胆な肉体改造を行い、アメリカ副大統領ディック・チェイニーを演じて第76回ゴールデングローブ賞・最優秀主演男優賞(コメディ/ミュージカル)を受賞したほか、第91回アカデミー賞・主演男優賞にもノミネートされている。

ザ・シネマ

[字]2020年12月8日(火)23:30~25:45
[字]2020年12月21日(月)21:00~23:30

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