ずっしりと見応えあるレジェンド的な戦争映画『地獄の黙示録』
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ふとした息抜きにはライトタッチな作品がいいけれど、休日にずっしりと見応えある作品を見たくなるときがある。そんなときにはレジェンド的な作品『地獄の黙示録』を見てはいかがだろう。人間の心の深淵を覗くことができる戦争映画大作だ。

巨匠コッポラ監督による戦争映画の金字塔

巨匠フランシス・フォード・コッポラ監督が手がけた戦争映画の金字塔。ジョセフ・コンラッド原作の小説『闇の奥』をもとに、ベトナム戦争の惨状を描いて人間の持つ狂気をあぶり出した渾身の一作。内容もさることながらコッポラ監督が私財を投じた膨大な制作費など数々の伝説を生み出し、カンヌ国際映画祭では最高賞パルムドールを受賞している。

狂気に陥った大佐を暗殺する任務に赴くが…

ベトナム戦争が激化する1960年代末。アメリカ軍のウィラード大尉は、司令部から呼び出されて極秘任務を言い渡される。同じアメリカの軍人で、特殊部隊隊長のカーツ大佐の暗殺だ。カーツ大佐は上層部の命令を無視し、ジャングルの奥地で現地住民を集めて自分の王国を築いたというのだ。ウィラードは、カーツの王国を目指して前線の奥深くに分け入るうちに様々な“戦争の狂気”を目の当たりにし、自らも精神のバランスを崩していく…。

地獄の中で生まれた地獄、だからこその傑作

誰のためのなんのための戦争であるのか……泥沼化したベトナム戦争はアメリカの汚点となっていたが、本作で本格的にスポットを当てて描き、以降の戦争映画の定番のテーマとなった。また、本作の制作自体も混迷を極めて、フランシス・フォード・コッポラ監督はいろんな意味で地獄を見ることになったのは有名。地獄の中で生まれた地獄だからこそ、後世にも語り継がれるほどの傑作に成り得たのかもしれない。

ザ・シネマ

地獄の黙示録 [PG12]
2020年8月15日 16:00~18:45(字幕)

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