“すずとじ”公開直前!新海誠監督作『君の名は。』を金ローでチェック

10月28日に金曜ロードショーにて地上波放送を予定している新海誠監督による2016年公開のアニメ映画『君の名は。』。11月11日には最新作『すずめの戸締まり』の公開を控えている新海誠監督が手掛けた本作。日本のアニメ映画はジブリだけではない、ということを世の中に深く印象付けた作品でもあり、当時は近年まれにみる興行収入となった。今回は、作品解説はもちろんのこと、主題歌「前前前世」を作曲したRADWIMPSにも焦点を当てて解説する。

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『君の名は。』とは?

『雲のむこう、約束の場所』(2004年公開)、『秒速5センチメートル』(2007年公開)、『星を追う子ども』(2011年公開)など、『君の名は。』公開前にはアニメ映画界ではすでに一目置かれていた新海誠監督。2013年公開の『言の葉の庭』から3年を経て発表された『君の名は。』は、必然とも言うべきだったのか、歴史的な大ヒットとなり、第40回日本アカデミー賞でアニメーション作品では初となる「優秀監督賞」、「最優秀脚本賞」を受賞。海外においても第42回ロサンゼルス映画批評家協会賞「アニメ映画賞」に輝くなど、国内外で数々の映画賞を受賞するなど、世界中の注目の的となった。

そのレベルでの大ヒットである『君の名は。』、映像特典が満載のBlu-ray&DVDもすでに発売されているため、ほとんどの方がご存じだとは思うが、まだ見たことのない方もいるかと思うので、改めてその内容をご紹介。

【あらすじ】

千年ぶりとなる彗星の来訪を一か月後に控えた日本。山深い田舎町に暮らす女子高校生・三葉は憂鬱な毎日を過ごしていた。町長である父の選挙運動に、家系の神社の古き風習。小さく狭い町で、周囲の目が余計に気になる年頃だけに、都会への憧れを強くするばかり。

そんなある日、自分が男の子になる夢を見る。見覚えのない部屋、見知らぬ友人、目の前に広がるのは東京の街並み。念願だった都会での生活を思いっきり満喫する三葉。

一方、東京で暮らす男子高校生、瀧も、奇妙な夢を見た。行ったこともない山奥の町で、自分が女子高校生になっているのだ。

繰り返される不思議な夢。そして、明らかに抜け落ちている、記憶と時間。

二人は気づく。「私/俺たち、入れ替わってる!?」

いく度も入れ替わる身体とその生活に戸惑いながらも、現実を少しずつ受け止める瀧と三葉。残されたお互いのメモを通して、時にケンカし、時に相手の人生を楽しみながら、状況を乗り切っていく。しかし、気持ちが打ち解けてきた矢先、突然入れ替わりが途切れてしまう。入れ替わりながら、同時に自分たちが特別に繋がっていたことに気付いた瀧は、三葉に会いに行こうと決心する。

辿り着いた先には、意外な真実が待ち受けていた……。

オフィシャルサイトより)

作画監督を務めるのは『千と千尋の神隠し』など数多くのスタジオジブリ作品を手掛けた安藤雅司。また、『心が叫びたがってるんだ。』などを手掛けた田中将賀をキャラクターデザインに迎えるなど、最強の布陣で『君の名は。』は制作されている。

また、声を担当するのは、瀧役に神木隆之介、ヒロイン・三葉役にオーディションでその役を射止めた上白石萌音。さらに奥寺先輩に長澤まさみを起用。市原悦子、成田凌、悠木碧、島﨑信長、石川界人、谷花音など、アニメーションと実写の垣根を越えた豪華キャストが集結した。

予告編の映像は以下より。

RADWIMPSとの奇跡のタッグ

そして、主題歌を含む音楽を担当するのはRADWIMPS。2019年公開のアニメ映画『天気の子』、そしていよいよ2022年11月11日に公開予定のアニメ映画『すずめの戸締まり』の音楽も担当している彼らが、新海誠監督と初めてタッグを組んだ作品が『君の名は。』でもある。そう、『君の名は。』の大ヒットはもちろん大きいが、主題歌「前前前世」も作品の世界観と完全マッチし、その要因の一つであることはまず間違いないだろう。

正直、「前前前世」がヒットしすぎて独り歩きしてしまった感があり、それを歌っているアーティストがRADWIMPSなのかどうかさえも知らない人が出てくるほど、その楽曲の威力は凄まじかったことを記憶している。そのため、RADWIMPSが何者なのかを知らない人も多々いるかと思う。

Jロック好きならばその名前を聞いたことないという人がいないほど、音楽好きには知られているバンドであり、決して、「前前前世」で初めて売れたバンドではない。そのRADWIMPSとはいったい――というわけで簡単にご紹介。

野田洋次郎(Vo・G・Piano)、桑原彰(G)、武田祐介(B)、山口智史(Dr)により、2001年に結成、2005年にメジャーデビュー。2006年にメジャー初となる3rdアルバム『RADWIMPS 3 ~無人島に持っていき忘れた一枚~』を発売して以降、順調に作品発売とライブを行いその人気を盤石のものにしていった。そして今回紹介している『君の名は。』と『天気の子』の音楽全般を担当し、それぞれの作品において第40回日本アカデミー賞最優秀音楽賞、第43回日本アカデミー賞最優秀音楽賞を受賞するなど、アーティストとしての成功を手にしていると言っても過言ではないだろう。ちなみに彼らは、映画公開年に主題歌4曲「前前前世 (movie ver.)」「スパークル (movie ver.)」「夢灯籠」「なんでもないや (movie edit. / movie ver.)」を含むCDアルバム『君の名は。』を発売している。

RADWIMPSを好きで聴いてきた人からしても、「前前前世」が決して背伸びしたような楽曲でなくて、RADWIMPS、野田洋次郎の世界観そのものであることは十分に納得できる内容だ。それがここまでヒットするということは、その才能が新海誠監督の作品と異常なほど相性抜群だったということでもある。それは、「前前前世」だけではなく、その他にこの映画のために提供された楽曲を聴けば理解できることだろう。

RADWIMPS「前前前世」のMVは以下より。

というわけで、『君の名は。』はRADWIMPS×新海誠監督による超強力タッグが生んだ奇跡だという前提で楽しんでみてほしい。

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