未来が視える主人公・ポールとアトレイデス家は宇宙帝国皇帝と手を組んだハルコンネン家に滅亡されそうになるが、アラキスの謎の先住民族・フレメンに助けられ…?10月15日(金)公開の映画『DUNE/デューン 砂の惑星』の登場人物とキャストを深堀り!
『DUNE/デューン 砂の惑星』の世界
物語の舞台は10,191年
2021年10月15日から上映される注目の映画『DUNE/デューン 砂の惑星』。監督は『ボーダーライン』(2015年)、『ブレードランナー2049』(2017年)などで知られ、“異次元の天才”と称されたドゥニ・ヴィヌーヴだ。原作はフランク・ハーバートのSF小説「デューン/砂の惑星」(1965年)で、SF映画の世界的代表作「スター・ウォーズ」シリーズにも影響を与えたとされる。『指輪物語』などと並んで、20世紀において最も大きな影響力を持つ小説のひとつが、ドゥニ・ヴィヌーヴ監督で満を持して映画化された。
壮大な物語の舞台は、なんと遥か未来の10,191年!広大な封建的宇宙帝国が築かれており、存在するすべての惑星は領家によって統治されている。主人公・ポールのアトレイデス家と、宿敵・ハルコンネン家、宇宙帝国皇帝、そして女性だけの秘密結社であるベネ・ゲセリット…。本作には魅力的なキャラクターたちが多数登場する。今回は主要な登場人物とキャストたちを紹介しよう。
アトレイデス家
主人公:ポール・アトレイデス(ティモシー・シャラメ)
本作の主人公・ポールは、アトレイデス家の後継者。アトレイデス家の後継ぎとして、幼いころからあらゆる訓練を重ね、戦闘技術や頭脳を磨いてきた。“未来が視える”特殊な能力を持っており、“砂の惑星”アラキス(デューン)の少女が何度も夢に出てきたり、未来を映し出す幻影にとりつかれたりしている。最も危険な惑星とも言われるアラキスにたどり着いたとき、宇宙全体を巻き込んで、ポールの運命は大きく変わっていく。
ポールを演じたのは『君の名前で僕を呼んで』(2017年)でアカデミー®賞主演男優賞にノミネートされたティモシー・シャラメ。「途方に暮れ、葛藤しながらも、若くして大きな責任を抱える人を演じる最高のタイミングだと感じた。(中略)ポールはありふれたロマンチックな主人公ではないんだ。」とポール役に抜擢されたことを喜んだという。ヴィルヌーヴ監督は、「ティモシー以外には考えていなかった」といい、ティモシーの思慮深さや存在感がポールにぴったりだったと語っている。
レト・アトレイデス公爵(オスカー・アイザック)
ポールの父であり、アトレイデス家の領主。民衆への正義感と家族への愛にあふれた人格者である。アトレイデス家が皇帝から“砂の惑星”アラキス(デューン)へ移住するように命令を受けたときから、自分だけでなく一族や民衆が危険にさらされることを警戒していたが、かつてアラキスを統治していたハルコンネン家によって殺されてしまう。
原作のファンだったというオスカー・アイザックは映画版の話を聞きつけ、ヴィルヌーヴ監督に直接連絡をとったそうだ。「リーダーたる要因は権力ではなく人々にあると、レトは知っている」と感じ、アイザック自身が刺激を受けるリーダーたちの話し方を研究するために、三船敏郎の映画をたくさん観たという。三船については、非常にパワフルで強い人だと述べている。
レディ・ジェシカ(レベッカ・ファーガソン)
ポールの母で、レト公爵のパートナー。謎の女性集団、ベネ・ゲセリットの一員でもある。“声”(ボイス)と呼ばれる、言葉の通りに人を動かすことができる不思議な力を持っており、ポールにも声の訓練をこっそりさせている。人類を良い方向へ導くために、ポールと共に過酷なアラキスで自らの運命に立ち向かっていく。
女王のような強さもある反面、弱さと多くの謎を抱えたジェシカだが、「そういった部分こそが、大規模な映画のなかでも観るものが彼女に共感できる理由だわ。」とレベッカ・ファーガソンは考える。ポールの母、レト公爵のパートナー、ベネ・ゲセリットの一員という3つの立場で揺れ動く心情を体現した。
ダンカン・アイダホ(ジェイソン・モモア)
アトレイデス家の勇敢かつ伝説的な戦士。アラキスに移住が決まったとき、いち早くデューンの砂漠に向かうなど行動力に長けている。レト公爵やアトレイデス家への忠誠心が強く、ポールとは兄弟のような関係だ。
ジェイソン・モモアはスタントの経験があり、アクションに定評のある俳優。ヴィルヌーヴ監督のファンで、オファーを受けたときはとても驚いたという。「気に入っている場面のひとつは、みんなが並んで集合するシーンだった。(中略)この映画では、多くの男性に憧れの気持ちを抱いたよ!」と豪華俳優たちとの共演を素直に喜び、ダンカンを大胆かつ力強く演じた。
ガーニイ・ハレック(ジョシュ・ブローリン)
ポールが生まれたときから世話をし、息子のように愛している。レト公爵に仕える戦闘隊長を務め、アトレイデス家を守ることに命をかける戦士だ。また、昔ハルコンネン家に家族を殺されたことから、人一倍ハルコンネン家に憎しみを抱いている。
『ボーダーライン』でヴィルヌーヴ監督と強い友情を築いたジョシュ・ブローリンは、「ガーニイはポールを大いにせき立てるけど、そのなかには遊び心もある。彼は詩を読んだり書いたり朗読したりする、詩人であり戦士なんだ。」とガーニイの魅力を語っている。
ハルコンネン家
ウラディミール・ハルコンネン男爵(ステラン・スカルスガルド)
アラキスにある“香料”(スパイス)の生産と流通を徹底管理し、強大な力をつけたハルコンネン家の領主。目的のためなら手段を選ばず、アラキスの先住民族・フレメンやアトレイデス家対して残虐な仕打ちをしてきた歴史がある。ふわふわと宙に浮き、恐怖で人々を支配する邪悪な権力者だ。
ステラン・スカルスガルドはなんと毎回のメイクに7時間をかけ、ウラディミールに変身したといい、完成形はもはや誰だかわからないほどだ。「ドゥニと働きたいと思っていたんだ」と語るスカルスガルドは、「小説で描かれる男性たちが明日までしか未来が見えてないのに対し、ベネ・ゲセリットはもっと野心的に長期的なことを見据えているんだ」とハーバートの小説を読み返し、その幻想的な世界観に魅了された。
ラッバーン・ハルコンネン(デイブ・バウティスタ)
ハルコンネン男爵の甥。ハルコンネン男爵と同じく、残忍なことも目的のためならためらいなく実行する危険人物だ。ハルコンネン男爵の命令に従って行動し、男爵が喜ぶことならなんでもする。また、動物らしく野性味があることから“ビースト”というあだ名がある。
デイブ・バウティスタは、「サディスティックで意地悪だけど、賢い人ではない。馬鹿ではないが、彼が頼るのは威嚇や恐怖で、それを糧に生きており、楽しんでるだけだ。サイコパスだよ。」とラッバーンをとらえている。
アラキスの先住民族・フレメン
チャニ(ゼンデイヤ)
ポールの夢に何度も出てくるフレメンの少女。“砂の惑星”(デューン)に生まれた気が強く闘争的な戦士だ。ポールが夢で自分と会ったことがあるなど知る由もないチャニは、ポールに対して警戒心を持って接する。
チャイを演じたゼンデイヤは、「熱狂的ファンに怒られたくなかったから、作品中の言葉の発音を学ぶのに多くの時間を費やしたわ。」と作品に対して真摯に向き合い、「チャニは多くを見てきたし、さまざまなことに対峙してきたけど、そこから強さと冷静さを得た。でもポールに出会い、それが少し揺さぶられる」とポールがチャイに与えた影響を振り返った。
スティルガー(ハビエル・バルデム)
アラキスの先住民族・フレメンのリーダー。ハルコンネン家によって迫害され、地底に追いやられたフレメンだが、アラキスの守護部族である神秘的な青い目をしたフレメンの命や文化を守るために戦っている。
「大人になった今、この本に描かれる環境・社会・政治・宗教についてのテーマを若いころに読んだときより深く理解できたんだ」と話すハビエル・バルデムは、「この映画は私たちが地球への愛や思いやり、気づかいを忘れてしまったことを映し出していると思う。」と続け、作品のメッセージ性を語った。
“香料”(スパイス)とは? アラキスにある“香料”(スパイス)には魔法のような作用と中毒性があり、使った人は未来が視えるようになる。また、惑星間の移動エネルギーとしても使用され、最も重要で貴重な物質であるため、香料を狙ってすべての惑星がアラキスの略奪に躍起になっている。
“砂虫”(サンドワーム)とは? アラキスの砂の下に潜む超巨大な虫。砂の動きに敏感で、人の足音など一定のリズムで音を発するものめがけて襲いかかり、大きな口ですべてを飲み込んでしまう。砂虫に襲われないように、フレメンたちは独自の歩き方で砂の上を歩く。
ベネ・ゲセリット
ガイウス・ヘレネ・モヒアム(シャーロット・ランプリング)
ポールの母・ジェシカも所属する謎に満ちた女性集団、ベネ・ゲセリットの教母。予言や迷信で長年にわたって人間の歴史を操り、人類が光へたどり着くための軌道修正を行っている。モヒアムはポールが“本物”かどうかを試し、厳しい判断の視線を注いでいる。
本作を観てもなお多くの謎が残るモヒアムを演じたのは、無人島にもっていく一冊としてハーバートの作品を挙げるほどハーバートのファンだという大女優のシャーロット・ランプリングだ。「モヒアムが持つ真剣さ、闇深さ、厳しさ、力のすべてを体現してくれた」とヴィルヌーヴ監督も太鼓判を押している。
映画『DUNE/デューン 砂の惑星』あらすじ
スペクタクルアドベンチャーにダイブせよ!
全宇宙から命を狙われる、たった1人の青年、ポール・アトレイデス。彼には“未来が視える”能力があった。宇宙帝国の皇帝からの命令で一族と共に、その惑星を制する者が全宇宙を制すると言われる、過酷な<砂の惑星デューン>へと移住するが、実はそれはワナだった!アトレイデス家と宇宙支配を狙う宿敵ハルコンネン家の壮絶な戦いが勃発。父を殺され、巨大なサンドワームが襲い来るその星で、ポールは全宇宙のために立ち上がるのだが…
公開日:10月15(金)全国公開
原作:「デューン/砂の惑星」フランク・ハーバート著(ハヤカワ文庫刊)
監督:ドゥニ・ヴィヌーヴ
脚本:エリック・ロス、ジョン・スペイツ、ドゥニ・ヴィルヌーヴ
出演:ティモシー・シャラメ/レベッカ・ファーガソン/オスカー・アイザック/ジョシュ・ブローリン/ステラン・スカルスガルド/ゼンデイヤ/シャーロット・ランプリング/ジェイソン・モモア/ハビエル・バルデム ほか
配給:ワーナー・ブラザース映画