■このコーナーでは、小説やコミックを映像化した作品の放送情報を紹介。ドラマや映画を見てから原作を読んで、より詳細な心理描写や物語の背景を楽しんでもよし、先に原作を読んで、思い描いた世界が目の前に広がるのを楽しんでもよし。自分好みに物語を2度味わえる作品たちはこちら!■
ファミリー劇場で3月13日に全10話一挙放送される『透明なゆりかご』は、産婦人科医院でアルバイトする17歳の看護助手の視点で“命”を見つめる物語。原作は沖田✕華のコミック(講談社「KC Kiss」刊)。NHKでドラマ化され、清原果耶が主人公の青田アオイを演じた。脚本は『リッチマン、プアウーマン』『劇場版コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』『きのう何食べた?』の安達奈緒子。2021年に『おかえりモネ』でもタッグを組んだ二人だ。“命”萌える春が近づく頃、見る者の心を揺さぶる“命”のドラマをじっくり見てはいかがだろうか。
原作は“命”の現実とまっすぐに向き合うコミック
コミック雑誌『Kiss PLUS』『ハツキス』『Kiss』に掲載された、沖田×華の傑作コミック。物語は主人公の女子高生が、命の誕生の喜びにあふれている場所だと思っていた町の小さな産婦人科で、人工妊娠中絶の現場やその後処置を体験することから始まる。異世界や魔法、異形のモノとの闘いもなく、流行りの絵柄のキラキライケメンが登場するわけでもない。この作品が支持されるのは、表に出すことをタブー視される問題から目をそらさず、しかし大げさに問題提起することもなく、淡々と“命”の現実を描いているからではないだろうか。
ドラマでも各話さまざまな角度から“命”の問題が提示される
喜びと悲しみが交錯する産婦人科医院。町田真知子(マイコ)と夫の陽介(葉山奨之)のエピソードをはじめ、さまざまな事態に直面し、アオイは新たな角度で“命”を見つめることとなる。
各話のゲストは、【#1:命のかけら】安藤玉恵 【#2:母性ってなに】平岩紙、蒔田彩珠 【#3:不機嫌な妊婦】田畑智子 【#4:産科危機】ゲストなし(真知子と陽介のエピソード) 【#5:14歳の妊娠】花田優里音、清水くるみ、長野里美 【#6:いつか望んだとき】モトーラ世理奈、角替和枝、イッセー尾形 【#7:小さな手帳】片山友希 【#8:妊婦たちの不安】柄本時生、滝沢沙織 【#9:透明な子】原田夏希、根本真陽 【#10:7日間の命】鈴木杏、金井勇太。
ドラマに関する多数の賞を受賞
全日本テレビ番組製作社連盟が主催する第35回ATP賞のドラマ部門の最優秀賞&全部門を通じてのグランプリ、文化庁芸術祭「テレビ・ドラマ部門」の大賞、放送文化基金賞・奨励賞、第56回ギャラクシー賞上期(放送批評懇談会主催)の奨励賞を受賞。ドラマ『透明なゆりかご』がときには優しく心に沁み、ときには鋭く心に迫るストーリーだけでなく、映像作品としてのクオリティも高いことがわかる。
1話のあらすじ
近所にある産婦人科医院で看護助手のアルバイトを始めた高校生・青田アオイ(清原果耶)は、勤務初日からいきなり人工妊娠中絶の助手を任され、そのすぐ後に分娩に立ち会う。喜びと悲しみが絶えず交錯する場所で、院長の由比朋寛(瀬戸康史)や先輩看護師の望月紗也子(水川あさみ)らと共に、アオイは生命の行方を静かに見つめるのだった…。
放送情報
放送局:ファミリー劇場
放送日:2022年3月13日(日)
放送時間:午前10:50~午後6:50
出演: 清原果耶、瀬戸康史、酒井若菜、マイコ、葉山奨之、水川あさみ、原田美枝子 ほか