日本アカデミー賞最優秀作品賞および最優秀主演男優賞を受賞した草彅剛主演による映画『ミッドナイトスワン』。
大ヒットして話題となった同作の監督を務めた内田英治がメガホンを取った、BLコミックの実写映画化『ダブルミンツ』を紹介しよう。
一筋縄ではいかないダークな薫りのする作品だ。
主従関係にあった同級生同士が再会し…
壱河光夫の携帯電話に一本の電話がかかってくる。
「すぐ、こっちに来い。女を殺した」と高圧的に告げる声の主は、高校の同級生で光夫と同じ“イチカワミツオ”という同音の名前の市川光央だった。
高校時代に光夫は高飛車で冷酷な光央に支配されていた。
光夫はチンピラとなった光央に数年ぶりに再会し、共犯者となる。
やがて2人の関係は以前の主従関係ではない、新しい関係へと形を変えていくが…。
独特の世界観を持った中村明日美子が原作
原作はBLコミックも多く手がけ、一般漫画でも特殊な世界観を持った作品を生み出す個性的な漫画家・中村明日美子だ。
BLコミックでは劇場アニメ化もされた『同級生』が人気が高くて有名だが、この『同級生』は実は中村明日美子の作品のなかでは少ない方と言える甘酸っぱくてみずみずしい青春BL。
中村はドロッとダークで闇要素を持つ作品も描いており、そちらの人気も高くて熱狂的なファンがいるぐらいだ。
内田英治監督が共依存関係を描き出す
本作に登場するのは“イチカワミツオ”という同音の名前を持つ2人の男。
彼らは高校の同級生で、光央は支配者、光夫は従者であったが、イジメのそれではなく、いわば共依存のような関係だ。
大人になって再会してからさらにその関係はエスカレートし、2人にしか分からない危うくも官能的な間柄となって呼応していく。
内田監督は2人の絶妙なバランスを見ごとにあぶり出している。
視聴方法
映画『ダブルミンツ』は現在U-NEXTほか配信サービスにて視聴可能。
気になった方はこの機会にぜひチェックを！
