まったりとおしゃれな雰囲気の映画を楽しみたいなら『チョコリエッタ』

「春の手品師」で文學界新人賞を受賞した大島真寿美の同名小説を実写映画化した青春ストーリー『チョコリエッタ』。
監督は『冬の河童』でメジャーデビューを果たし、海外でも高い評価を受けている『せかいのおわり』の風間志織。
2時間半以上あって長尺ではあるのだが、おしゃれな雰囲気を楽しむことができる。

あらすじ

孤独な少女・知世子は苛立ちを募らせていた…

「犬になりたい。」進路調査書にそう書いて呼び出しをくらった16歳の知世子。
幼い頃に母を亡くして以後、愛犬のジュリエッタを心の支えにしてきた。
しかし、ジュリエッタも亡くして孤独になり、苛立ちばかりが募る。
そんな知世子は映画好きで変わり者の先輩・正宗の依頼で彼が撮る映画の主人公になることに。
不機嫌な知世子にカメラを向ける正宗も知世子と同じ思いを抱えており、2人は“ここじゃないどこか”を目指して旅に出ることを思いつく。

ベリーショートで孤独な少女を演じた森川葵

ヒロインの知世子を演じるのは役によってヘアスタイルも雰囲気もガラリと変える、『恋と嘘』や『賭ケグルイ』の森川葵。
フェデリコ・フェリーニ監督の名作『道』  にオマージュが捧げられた本作では、『道』 のヒロインであるジェルソミーナよりもさらに短いベリーショートで孤独な少女をみずみずしく演じている。

変わり者で少し強引な先輩を菅田将暉が好演

受験をして大学に行って、就職して会社員となって働いて…。
みんな当たり前のようにしているけど、人生それでいいの？
誰もが青春時代に一度は抱く疑問や不安を描いた本作。
知世子のように苛立ちを抱える先輩を演じるのは菅田将暉。映画好きで変わり者で少し強引な先輩・正宗を好演している。